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2008年5月20日
第19回GCOEセミナー(岡本隆明)
「古文書・典籍を対象とした文字管理システムの紹介と今後の計画」 【概要】 報告者が作成している、古文書や典籍を対象とし、そのなかの文字一つひとつを管理するシステムを紹介し、この「どの史料のどこにどのような文字があるのか」を整理するためのシステムを、今後、GCOEにおいて絵画資料など文字史料以外にも応用するために必要な拡張について述べた。 まず、筆跡を用いた古文書研究の一例として、東寺百合文書におさめられている鎌倉時代後期、大和国平野殿庄をめぐる訴訟に関する一連の文書の中から、供僧方公文快実が書いたと見られる文書を取り上げ、快実が供僧方公文という地位とは別に独自の訴訟活動をおこなっており、そうした文書の裏にたまたま東寺に関する文書を書き写して供僧に渡したために百合文書のなかに含まれることになったと考えられる事例があることを紹介した。 つぎに、筆跡を利用した研究を行うためには多大な労力を要することから、コンピュータ上で史料画像、文字画像、テキストおよび文字に関するさまざまな属性を総合的に取り扱うシステムの必要性を述べ、史料内の文字一つひとつにIDを与え、1文字を1レコードとしてリレーショナルデータベースで管理する本システムの特徴である、丁・行・桁などテキスト内における文字の論理的な位置を示すデータをもとに個々の文字を並べ替えてテキストを再構成する方法、文字の座標を利用した文字画像の切り出し、同じく座標を利用して文字列検索の結果を史料画像上にハイライト表示する動作などを示した。 最後に、本システムは、現在は個々の文字の管理という特殊で限られた用途のために使用しているが、資料の構成要素は個々の文字以外にも、絵・図・花押・印影や文字のまとまりである単語・テキストなどがあり、研究者が着目する様々な要素をうまく取り扱うために必要となる拡張について述べ、意見をもとめた。
On a Image Database System of characters in Japanese Historical Materials
2008年5月13日
第18回GCOEセミナー(上田・大矢)
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