2011年3月19日
五条坂で販売されていた磁器人形の調査
2011年2月22日、五条坂・かわさき商店で大量の色絵磁器人形が残されていることを確認し、調査させて頂きました。かわさき商店の4代目は「旭亭」を名乗って陶磁器を生産していましたが、その作品が道仙化学製陶所の発掘調査で出土したため、その関連調査として聞き取りを行う目的で伺いました。その際に6代目が販売していた磁器人形がデットストックとして保管されていることを知り、見せていただいたところ、400個を越える色絵磁器人形等を確認しました。6代目は主に瀬戸・美濃の焼物を取り扱っておられましたから、これらの人形類にも瀬戸・美濃の製品が含まれていると思われます。なお、現ご当主で8代目の河崎尚志氏は、かつて清水門前で販売されていた「錦人形」が含まれているのではないかと考えておられます。確かに清水門前の古写真では「錦人形」の看板が確認されますが、これについては、京焼研究者からも民俗学研究者からも十分な研究がなされておりません。残念ながら、製作年代を直接示す資料は確認できませんが、題材などから明らかに戦前に遡ると思われる資料も含まれています。かわさき商店のご協力を頂き、今後、研究の死角になっていた「錦人形」の掘り起こしを行う予定です。
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