2009年12月21日
「京焼」五条坂 登り窯再興シンポジウム
12月20日、ホテルグラン京都清水の会議室で開催された『「京焼」五条坂 登り窯再興シンポジウム』で木立が「五条坂の登り窯と発掘調査」と題して成果の一部を報告しました。
プログラムは下記の通りです。
[五条坂登り窯見学会]
末広直道氏(藤平陶芸有限会社)による登り窯解説
[シンポジウム]
基調講演 中ノ堂一信(京都造形芸術大学)「五条坂の窯 -古今-」
報告1 岡佳子(大手前大学)「江戸時代の清水・五条坂のやきもの」
報告2 木立雅朗(立命館大学)「五条坂の登り窯と発掘調査」
パネルディスカッション 岡佳子、河井透(陶芸家・京都陶磁器協同組合連合会会長)、木立雅朗、若林広幸(建築家)、モデレーター・進行:近藤高弘(陶・造形美術家)
主催:京焼・五条坂登り窯再興準備委員会、第26回国民文化祭京都府実行委員会、文化庁
後援:京都市、京都市教育委員会
昨年、藤平陶芸の登り窯が京都市の学校用地として購入され、登り窯の保存活用に新たな道が開かれましたが、このシンポジウムはその登り窯を今後どうやって活用していくのかを検討するため、京焼の中堅陶工の有志の皆さんが結集して開催されました。今後も検討・研究を続けていくためのはじまりとして位置づけられているようです。登り窯が公的に保存されること、京焼関係者がこのような形で協力することは、これまでになかった新しい動きであり、その活動に京都市も協力的です。
当日は会場が一杯になる盛況ぶりで、登り窯の今後の活用法に対して熱心に討議されました。登り窯の歴史価値は、研究だけにとどまらず、教育・観光・産業育成のためにも、極めて有効なものとして期待されていることがわかりました。なお、地元にはかつての公害問題の傷跡が残っており、登り窯の活用方法をめぐって住民との話し合いの場をもつことを提言されました。また、建築学の立場からも問題提起がなされ、ようやく検討がはじまったという印象を持ちました。来年以降の研究会でさらに議論が深まることが期待されます。
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