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2021年6月13日 日本生活学会での発表
2021年6月13日(日)

笠井賢紀(2021)「住居を媒介とした生活史調査の方法―滋賀県栗東市の街道筋集落での調査を事例に―」

2021年6月13日に開催された日本生活学会第48回研究発表大会(オンライン開催、実行委員長:笠井賢紀)で口頭発表を行いました。

本研究は同学会より「2020年度生活学プロジェクト」として採択されたものでもあります。笠井・竹山が申請者に名を連ね、「NPO法人くらすむ滋賀」として聞き取り調査にあたりました。

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Arc-iJACにおける私たちのプロジェクトは「口述史と資料に基づく生活空間のGISデータベース化」と題しているように、口述史の収集が書類資料(document material)の収集と同様に重要です。人生の口述史(生活史)と地域社会との関係については、社会学でも多くの蓄積があります。

今回、笠井が口頭発表したのは生活史の聞き取りにあたり「住居」を媒介として介在させることにより、より地域社会史との接合がみられるのではないかという研究報告です。住居がうまく媒介して語りを引き出せている実例として「燃料」、「水利用」、「家畜」という三つのテーマを語りの記録から抽出することができました。これらのいずれもが、住居を超え「集落」や「集落間関係」というより広い空間的把握にも適しており、本プロジェクトの今後の展開にも活用されます。

今後の課題としてGISデータ化も含め、どのように成果を可視化し地域社会や学界に還元・貢献することが可能かという点が挙げられます。語りのすべてを記録し公開することは個人情報保護の観点からも適切ではなく、また読み手が情報を処理しきれなくなるおそれもあります。

「住経験インタビュー」を唱えている建築学の研究者との交流が図れたり、生活学研究を長年続けてきた座長から研究の意義を認めていただけるなど、実りの多い時間になりました。


本報告は次の研究助成の成果の一部です。

  • JSPS 科研費 JP20K02093(代表):「家屋を取り巻く生活史調査」

  • JSPS 科研費 JP21H03722(共同):伊勢参宮ツーリズム研究

  • 立命館大学アート・リサーチセンターARC-iJAC 国際共同研究(個別テーマ型)(代表):「口述史と資料に基づく生活空間のGISデータベース化」