- 日本文化研究班
2010年12月12日
平成22年度歌舞伎学会秋季大会での発表
2010年12月11・12日に日本女子大学において「平成22年度歌舞伎学会秋季大会」が開催されました。 発表者と発表タイトルは以下の通りです。 大西 秀紀 「ニッポノホンの六代目菊五郎レコード」
歌舞伎レコードは明治の出張録音期から大正初期にかけても存在したが、その制作が本格化するのは大正10年からである。大阪住吉の新興レーベルのニットーレコード(日東蓄音器)や、老舗のニッポノホン(日本蓄音器商会)、東京蓄音器などが競うように発売し、歌舞伎レコードの品数は演目と役者の両面からにわかに充実を見せた。
その歌舞伎レコードブームともいえる流れの中で、ニットーは大正11年8月の「親譲御所五郎蔵」「神明恵和合取組」に続き、翌年1月に「弁天娘女男白浪」、同3月に「梅雨小袖昔八丈」と合計4種12枚の六代目尾上菊五郎のレコードを発売した。当時六代目は録音嫌いで通っており、それを高額のギャラで口説き落としての初レコード化は大きな話題となった。
六代目のレコードはこの4種以外には、昭和5-7年にビクターから発売された6種のみと見るのが一般的だが、実はニットー盤と同時期にニッポノホンにも存在していた。現在実物が確認されているのは2枚組の「髪結新三」の2枚目のみだが、ニットーと専属契約をしたはずの六代目の声が、なぜ当時ニットーと熾烈な営業合戦を展開していたライバルのニッポノホンにも残されたのか。その音をお聴きいただきながら、当時の歌舞伎レコード事情について考察を加えたい。
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