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 [書込]

概要
2021年4月 1日(木)

本研究では、ヨーロッパに所在し、ARC所蔵品とも関連する日本古写経について、基礎情報(料紙の高さや紙幅、界高、簀目、紙厚など各部位の法量計測、繊維・粒状物質の観察を含む)やデジタル画像の記録と、ARCデータベース・システムを通じたそれら古写経のデータベース構築を目的とする。なお古写経のなかでも紺紙金字一切経については、これまでに実施してきた高精細近赤外線デジタル画像撮影によって染料に隠れた墨書や花押などの検出に努め、検出された場合には、前年度までに引きつづき単一画像超解像等による解析を行う。くわえて経典見返絵に描かれた尊格の特徴や顔貌表現における絵画様式の特徴を、美術史における美的分析の手法とともに深層学習の手法を用いて自動的に分析することを試みる。その理由は、自動的分析の結果は修正を施すためには人の目と手による検証を必要とし、あるいは逆に、日本の絵画様式にたいして新たな観点をもたらす可能性があるからである。結果の妥当性をそれぞれ検証するためにデジタルツールと伝統的な分析の双方を使用して、技法・絵画様式とその意義をより客観的に考察してゆきたい。