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A Database Construction of Old Japanese Manuscripts and an Analysis Using Machine Learning(ヨーロッパ所在の日本中世古写経データベース構築と機械学習による解析)

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[A Database Construction of Old Japanese Manuscripts and an Analysis Using Machine Learning(ヨーロッパ所在の日本中世古写経データベース構築と機械学習による解析)]
April 1, 2021(Thu)

本研究では、ヨーロッパに所在し、ARC所蔵品とも関連する日本古写経について、基礎情報(料紙の高さや紙幅、界高、簀目、紙厚など各部位の法量計測、繊維・粒状物質の観察を含む)やデジタル画像の記録と、ARCデータベース・システムを通じたそれら古写経のデータベース構築を目的とする。なお古写経のなかでも紺紙金字一切経については、これまでに実施してきた高精細近赤外線デジタル画像撮影によって染料に隠れた墨書や花押などの検出に努め、検出された場合には、前年度までに引きつづき単一画像超解像等による解析を行う。くわえて経典見返絵に描かれた尊格の特徴や顔貌表現における絵画様式の特徴を、美術史における美的分析の手法とともに深層学習の手法を用いて自動的に分析することを試みる。その理由は、自動的分析の結果は修正を施すためには人の目と手による検証を必要とし、あるいは逆に、日本の絵画様式にたいして新たな観点をもたらす可能性があるからである。結果の妥当性をそれぞれ検証するためにデジタルツールと伝統的な分析の双方を使用して、技法・絵画様式とその意義をより客観的に考察してゆきたい。

[A Database Construction of Old Japanese Manuscripts and an Analysis Using Machine Learning(ヨーロッパ所在の日本中世古写経データベース構築と機械学習による解析)]
May 1, 2020(Fri)

この研究は、ヨーロッパに所在する日本古写経について、実地調査により作品の基礎データやデジタル画像を取得し、ARCのデータベース・システムおよびクラウド領域を活用した包括的データベース構築を第一の目標としている。とくに書誌情報において美術史学では、絵画と装飾料紙にまつわる情報が、銘文のない作品から制作年代を絞る大きな手掛かりとなる。そのため巻子本1巻1紙ごとに、各部位の法量計測と、可視光と近赤外線による高精細デジタル画像による撮影を、実施する。

そのうえで試みに私たちは、これまでに蓄積されたARC藤井永観文庫所蔵の古経典データをもとに、新たなメタデータをくわえて、(1)年代推移による和紙の特徴について機械学習(主成分分析等による特徴抽出、t-SNEやベイズ的混合正規分布学習によるグループ数の推測と分類)の手法によって解析を試みる。また、(2)絵画主題や文様の変遷分析、(3)紺紙金字経の染料に隠された墨書の解析などにも取り組みたい。

[A Database Construction of Old Japanese Manuscripts and an Analysis Using Machine Learning(ヨーロッパ所在の日本中世古写経データベース構築と機械学習による解析)]
March 29, 2019(Fri)

日時:2019年3月29日 9:00~17:00
場所:賀茂別雷神社(京都市北区)
参加者:相田(敏)・小林・相田(愛)

「紺紙金字法華経并開結」10巻の調査も最終日を迎えました。限られた時間でしたが、文系・理系のメンバーが連携して、予定通りに基礎調査と撮影を終えることができました。3日間の調査中、大きなトラブルもなかったのは、ご神徳のお蔭と感謝いたしております。

調査後は、機材返却のためARCに向かいました。ご対応いただきました事務局ならびにテクニカルサポートボードの皆様、ありがとうございました。

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[A Database Construction of Old Japanese Manuscripts and an Analysis Using Machine Learning(ヨーロッパ所在の日本中世古写経データベース構築と機械学習による解析)]
March 28, 2019(Thu)

日時:2019年3月28日 10:00~17:00
場所:賀茂別雷神社(京都市北区)
参加者:相田(敏)・相田(愛)

 本日の調査は、テクニカルサポートボードからの強力なバックアップを得て、赤外線デジタル写真撮影を中心に行いました。ARCの機材であるPENTAX645Zと赤外線投射機を組み合わせ、藍染の下に隠れた写経料紙表面の状態を分析します。非破壊での文化財調査として、放熱の少ないLEDによる赤外線撮影は有効な手段と言えます。

 明日は最終日。撮影とともに紙圧や簀目数の計測を予定しています。

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[A Database Construction of Old Japanese Manuscripts and an Analysis Using Machine Learning(ヨーロッパ所在の日本中世古写経データベース構築と機械学習による解析)]
March 27, 2019(Wed)

日時:2019年3月27日 13:00~17:00
場所:賀茂別雷神社(京都市北区)
参加者:相田(愛)

桜の香りの漂う境内にて参拝後、当社に伝来する「紺紙金字法華経并開結」10巻の熟覧と法量計測などの基礎調査を行いました。平安時代後期~鎌倉時代初頭(12世紀後半)の制作と推定されている優品です。明日・明後日は赤外線撮影も予定しています。

お忙しいなかご対応いただいております神職の皆様、ありがとうございます。

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【参考資料】※いずれも2019年3月27日閲覧。

「(京都非公開文化財特別公開)上賀茂神社・紺紙金字法華経開結共https://www.asahi.com/articles/DA3S13457164.html」朝日新聞デジタル>記事(https://www.asahi.com/articles/DA3S13457164.html)。

久保智祥「願ったのは世の平安か、平家打倒か 上賀茂神社の経文」朝日新聞デジタル>記事(https://www.asahi.com/articles/ASL3F5TKRL3FPLZB012.html)。

[A Database Construction of Old Japanese Manuscripts and an Analysis Using Machine Learning(ヨーロッパ所在の日本中世古写経データベース構築と機械学習による解析)]
May 23, 2018(Wed)

本年度最初の打ち合わせを実施しました。

日時:2018年5月22日(火)
13:00-15:00
ARC会議室2

参加者:相田〔敏〕(岡山大学)、小林(筑紫女学園大学 スカイプでの参加)、横内(京都府立大学)、相田〔愛〕

コーディネーター:金子先生

打ち合わせ内容
(1)昨年度までの成果
(2)今年度の目標
(3)今後の活動内容について

[A Database Construction of Old Japanese Manuscripts and an Analysis Using Machine Learning(ヨーロッパ所在の日本中世古写経データベース構築と機械学習による解析)]
April 1, 2017(Sat)

本研究は、藤井永観文庫の所蔵品を中心として、「紺紙金字経」を情報工学と美術史学の複眼的な視点から調査研究することにより、料紙調達から奉納までの公/私人の営みや、世/俗を往来する図像イメージの相関、およびそれらの分析を通じて「紺紙金字経」の文化史的な意義を明らかにすることを目的とする。
 とくに、12世紀第3四半期までに制作された「紺紙金字経」は、料紙に隠れた墨書・墨字・墨印を有し、見返し(表紙裏)に金銀泥の経絵を描くことが少なくない。施設内に整えられた環境を最大限生かし、近赤外線による高精細デジタル撮影を行い、墨書等の検出された作品について、単一画像超解像により画像データを解析し、データベース化することにより、写経を担った人々の動きを質的/量的に解明してゆく。
 またその見返し絵を、オープンデータ化されている絵巻物の各種アーカイブズとも関連づけ、デジタル絵引を構築することで、仏教絵画と世俗画を行き来する視覚イメージの様相を提示してゆく。

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