2017年7月29日、福岡市・博多遺跡群第213次発掘調査の現地説明会に参加させて頂きました(福岡市埋蔵文化財課)。

土器・土人形の窯跡が多数確認されていました。幕末から明治初めまで主体とする比較的新しい遺構・遺物ですが、祇園山笠で有名な櫛田神社の門前で生産を行っており、地域の歴史を象徴する重要な遺跡として、高く評価できます。博多の素焼き人形・土器の生産遺跡の実態がはじめて明らかになりました。将来的には、素焼き人形から「博多人形」へと発展してゆく過程が明らかにできると思います。

なお、2017年6月23日、7月10日にも同遺跡の発掘中の様子を観察させて頂きました。窯修復や作り替えの実態が非常によくわかりました。近世の土器生産・土人形生産の研究を行う上で、極めて重要な成果だと思います。都市遺跡の土器窯調査例としても画期的なもので、もっとも成功した、理想的な発掘調査だと思います。ご尽力された福岡市埋蔵文化財課の皆様に心から敬意を表します。

このような調査が各地で広がってゆけば、考古学から伝統工芸の実態を明らかにできるだけでなく、伝統工芸の現在を照らすことができるでしょう。

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