2017年10月3日~6日まで千葉市幕張メッセで開催されたシーテックジャパン2017で、ロームの折り鶴プロジェクトが紹介されました。

本研究室はロームの折り鶴プロジェクトに協力し、デジタルアーカイブを進めている京友禅図案(戦前)を提供しました。折り鶴プロジェクトでは、京都の伝統工芸とのコラボレーションを企画されていたため、本学京都学専攻でお世話になっている表具の宇佐見直治氏を紹介させて頂きました。その結果、宇佐見さんとともに金箔工芸の五明久さん、和紙の田中敏弘さんもご協力されました。お世話になって十分に存じあげていると思っていましたが、皆さんの技術力の高さと柔軟さに、改めて驚かされました。

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_DSC5979.JPG半導体メーカーであるロームは、その技術力を分かりやすく紹介するために2015年から折り鶴プロジェクトを公開してきました。2016年までの経緯や様子については、下記の紹介があります。

https://nge.jp/2016/12/29/post-137125

3年目に当たる今回は、「京都の会社」であるという原点に回帰し、京都らしさを活かそうとしたものになっています。伝統工芸の活用方法を試みている本研究室としては、そのような試みに関われ、大変よい経験になりました。下記に会場で流された解説映像がアップされています。

https://www.youtube.com/watch?v=tIsYrqqopdc

シーテックジャパン2017の会場全体を俯瞰したところ、最先端技術をどのように活かすのか、分かりやすい形で訴えかけており、いずれも興味深いものでした。どの企業もプレゼンに大きな力をかけていましたが、ロームのように伝統工芸とのコラボレーションを計ろうとする最先端企業は、今回はほとんど確認できませんでした。会社の地域性を強調することもほとんどなかったように感じました。最先端の技術を紹介する場所では不釣り合いなのかもしれませんが、プレゼンの手法の一つとしても、智恵の集積としても、伝統工芸はまだまだ活用できる余地があると思いました。

このような貴重な機会を与えて頂いたロームの関係者のみなさん、ともにご協力頂いた宇佐見さん、五明さん、田中さんに感謝しております。