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    「春画を見る・艶本を読む」展

図版の修正と書入の削除
 ∟29 『艶本研究国貞(並製本)』

29-kunisada_02

林美一『艶本研究国貞(並製本)』
昭和38年(1963)
個人蔵


春画・艶本に関する研究書、復刻本は数々出版されていたが、いずれも図版は修正され、書入や本文の一部は削除されるという状態であった。そのような中で国貞裁判は起きるが、裁判が続いている間も林美一は精力的に研究書、雑誌の出版を続けた。1960年代以降は、限られたネットワークの中だけでなく、一般に公刊される雑誌や研究書が増え、春画に対する評価や意識を変えていこうとする啓蒙的な研究活動が行われるようになってくる。昭和63年(1988)頃からは「芸術新潮」といった美術雑誌も春画の特集を組むようになり、時代が下るにしたがって、次第に図版に施される修正も軽いものになっていった。

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