- オンライン展示版
「春画を見る・艶本を読む」展
- ごあいさつ
- セカンドライフ「春画を見る・艶本を読む」展/概要
- 展覧会目次
- イントロダクション「春画のいろいろ」
- 1 春画・艶本を読む-流通と享受
- 07-1 『小栗忠孝記』
07-2 「三条勘太郎」 - 07-3 『双蝶記』
- 08 『艶図美哉花』
- 貸本屋の仕入れ
- ∟ 09 『江戸名所図会』
- 10 『倡客竅学問』
- 艶本の流通
- ∟ 11 『閨中紀聞/枕文庫』
- 12-1 貸本屋と艶本にまつわる川柳 -『誹風柳多留』より
- 12-2 『絵本情水記』
- 07-1 『小栗忠孝記』
- 2 春画・艶本のある風景
- 3 近世における春画の検閲
- 享保七年町触
- 隠号-歌川国芳
- ∟ 17 『花以嘉多』
- 艶本の中の自画像
- ∟ 18 『枕辺深閨梅』
- 為永春水と天保の改革
- ∟ 19 『春色辰巳園』
- 『ひとりね』
- 4 近代における春画の検閲
- 明治5年(1872)違式詿違条例
- ∟ 20 『京都府違式詿違条例図解』
- 明治期の春画
- ∟ 21 「年頃の娘」
- 明治期の春画
- ∟ 22 「看護婦と軍人」
- 春画の大検挙
- ∟ 23 「東京朝日新聞」
- 様々な形式の春画-肉筆春画
- ∟ 24 [明治肉筆春画帖]
- 様々な形式の春画-透かし絵
- ∟ 25 [透かし絵春画]
- 明治5年(1872)違式詿違条例
- 5 出版物の規制と現代
- 会員システムによる流通
- ∟ 26-1 「文藝市場」
- ∟ 26-2 『変態十二史』シリーズ
- ∟ 26-3 『変態十二史 変態崇拝史』
- 研究書の出版
- ∟ 27 『元禄古版画集英』
- 国貞裁判
- 国貞裁判-参考資料
- ∟ 28 『艶本研究国貞(特装本)』
- 図版の修正と書入の削除
- ∟ 29 『艶本研究国貞(並装本)』
- 無修正版の出版
- ∟ 30 『江戸枕絵師集成 歌川国貞』
- 海外における春画の再評価
- ∟ 31 大英博物館特別展「Shunga: sex and plearure in Japanese Art」
- 会員システムによる流通
07-1 『小栗忠孝記』
07-2 「三条勘太郎」
つれ/\なぐさむるものは やまともろこしの書 むかし今の物がたりの類なり これを小書肆の輩背に汗し足を空にして 竪横にわしり 町小路在郷までも日数を限りて貸ありく 見るものはつかの見料をもて慰む事 当世のならはしとなりぬ
秋里籬島作 『小栗忠孝記(おぐりちゅうこうき)』
墨摺半紙本五冊 享保2年(1802)
本書には当時の貸本屋の様子が描かれている。貸本屋は本を背負い、町や田舎の家々を歩きわたって商売をしていた。貸出期間も決まっており、その長さによって見料(料金)が変わった。現代のレンタルシステムに通じる仕組みは既にこの頃に確立されていたといえる。
西村重長画 「三条勘太郎(さんじょうかんたろう)」
細判漆絵一枚 享保期(1716-1736)
平木美術館蔵(『江戸時代館』[2002年、小学館]より転載)
本図では『小栗忠孝記』に描かれた貸本屋の姿を見ることが出来る。本を背負うための専用の本箱(笈箱)があり、上部には「書物いろ/\」と書かれている。和紙で出来た本は軽量かつ丈夫で、大量に持ち運ぶことが可能であった。手に持っているのは『太平記』である。本図は歌舞伎の舞台姿を描いたものであり、実際の貸本屋はこのような美しい若衆だけではなかっただろう。
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