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 [書込]

概要
2017年4月 1日(土)

本研究は、藤井永観文庫の所蔵品を中心として、「紺紙金字経」を情報工学と美術史学の複眼的な視点から調査研究することにより、料紙調達から奉納までの公/私人の営みや、世/俗を往来する図像イメージの相関、およびそれらの分析を通じて「紺紙金字経」の文化史的な意義を明らかにすることを目的とする。
 とくに、12世紀第3四半期までに制作された「紺紙金字経」は、料紙に隠れた墨書・墨字・墨印を有し、見返し(表紙裏)に金銀泥の経絵を描くことが少なくない。施設内に整えられた環境を最大限生かし、近赤外線による高精細デジタル撮影を行い、墨書等の検出された作品について、単一画像超解像により画像データを解析し、データベース化することにより、写経を担った人々の動きを質的/量的に解明してゆく。
 またその見返し絵を、オープンデータ化されている絵巻物の各種アーカイブズとも関連づけ、デジタル絵引を構築することで、仏教絵画と世俗画を行き来する視覚イメージの様相を提示してゆく。