No. | Title / Affiliation / Name |
1 |
Stickiness and path dependence of land use patterns |
伝統的に都市経済学においては、土地利用を分析する際に、長期的に安定した状態に注目してきた。土地利用が変化している状態は、一時的なもので、いずれ長期的に安定した状態へと収斂すると考えてきたのである。しかし、実際に土地利用が変化するには時間が必要であり、移行過程がどの程度の時間を必要とするか、更に、その変化の過程が一意ではない、つまり、経路依存性をもつか、はこうした伝統的な分析の有効性を大きく左右する。そこで、本研究では、過去の土地利用がどの程度の期間土地利用を左右するか、また、経路依存性を持つか、を分析する。その際、具体的には、京都の地籍図GISデータを活用し、大正期の京都の土地利用と現在の土地利用の様子を比較する。 |
Professor, University of Tokyo Yasuhiro SATO |
2 |
Construction of the Database of printing blocks of selection from Daishin Gito's works (the 273th chief priest of Daitoku-ji Temple) owned by Gyokurin-in, sub-temple of Daitoku-ji Temple in Kyoto City |
大徳寺山内塔頭 玉林院に所蔵されている大徳寺273世大心義統監修の著作を蒐めた版木129枚(別紙添付)の整理とデータベースの構築を行う。大心義統(1657-1730)は、 妙心派の無著道忠と並ぶ江戸時代中期の学僧で、生前に多くの著作を残した。しかし彼の著書や出版に関する研究は、まだ殆ど行われていない。大心が京都ではなく泉南、堺を中心に布教していた事も一因であるが、そのため、臨済宗以外に黄檗宗や律宗の僧侶との繋がりも深く、禅楽寺に大蔵経をの経蔵を設け、公開の形で教学の指導に当たった事が伝記資料に記されるなど、その活動はたいへんユニークである。その他に、堺という地方で出版された一連の著作と檀越の中村氏や茶人を中心とした人的ネットワークの再検討、さらには版木を詳しく調査していく事で、江戸中期の地方出版と、黄檗版大蔵経を中心とした仏教書出版事業との関わりについても解明が期待できる。 |
Visiting researcher, International Research Institute for Zen Buddhism, Hanazono University Jijin MORI |
3 |
A Comprehensively Study on Primary Sources in the possession of Itoi Bunko Library in Maizuru City |
本研究では、舞鶴市糸井文庫(京都府舞鶴市文化財)における未整理の資料を対象として、新たに翻刻を施す。そして、本文庫が果たした日本文学・日本文化上の役割を解明するために、これらの資料を改めて整理することを主な目的とする。 特に、浦島伝説に関する資料を対象として、これまで実施してきた国際共同研究を発展・深化させる。 そして、立命館大学アート・リサーチセンターの「舞鶴市糸井文庫閲覧システム」を通じて、新規に翻刻した資料のWEB公開を行い、国内外の研究者や一般国民に資するようにする。 |
Professor, Shizuoka Eiwa Gakuin University Eriko HATA |
4 |
Management for the Japan Art Documentation Society Utilizing Cloud Storage |
1989年4月に開設されたアート・ドキュメンテーション学会は、ひろく芸術一般に関する資料を記録・管理・情報化する方法論の研究と、その実践的運用の追究に携わっている。 本学会には、図書館司書、学芸員、アーキヴィスト、情報科学研究者、美術史・文学史・音楽史・メディア史・文化史・自然史研究者など、約300名の正会員、学生会員、賛助会員が所属している。従来の美術館/博物館・図書館・公文書館・アーカイヴおよび学会といった機関や職能を超領域的に融合する新しい学術団体として、本学会は、新しい未知な課題に取り組む方々の参加をえて、活動を展開している。 国際的視野にもとづいて現代社会の要請する人文学と情報学との連動を追究し、今日的要請に即したデータベースの構築、アーカイヴ・デザイン、また個別的な応用課題の解決に取り組み、着実な成果をあげる。 |
Japan Art Documentation Society |
5 |
Nōgu taikan Transcribe and Translate Project |
ピッツバーグ大学図書館貴重書室は、能絵で有名な月岡耕漁の版画集「能楽図絵」「能楽百番」「能画大鑑」「狂言五十番」を所蔵しており、合わせて632枚の能絵をデジタル化し、オンライン展示「Ko?gyo: The Art of Noh」で公開しています。新たに山口蓼州の版画「能具大観」102枚をオンライン展示に加えるにあたり、草書体で書かれた各版画の説明文102枚を翻刻、英訳して広く世界の利用者に提供していきます。 |
University of Pittsburgh Library System, Japanese/ Korean Studies Librarian Hiroyuki NAGAHASHI GOOD |
6 |
Significance of Yokota Einosuke in the modern Kyoto film industry |
日本映画草創期に、映画の導入から普及、発展まで最も寄与した一人の京都の実業家、横田永之助が、兄の万寿之助と共に最初期の映画会社である横田商会を立ち上げ、映画館がまだなかった時代に10を超える巡業隊を組み、地道に全国を回りながら映画興行を行ったこと、及び横田が映画の父、牧野省三を見出し、映画最初のスター、尾上松之助と164本もの映画を撮ったという功績は、よく知られている。しかし、京都をベースに明治末期から活動していた横田商会について、その実態や詳細は明らかになっていない。申請者は、横田商会の貴重な資料(紙媒体、写真、映画フィルム)の調査・発掘・研究を2018年から行っており、アートリサーチセンター資源活用型共同研究員に採択されたことにより、多くの遺品資料のデジタル化ができた。今年も継続して、さらに遺品資料のデジタル化を進め、その資料の調査・研究を進めていきたい。 |
Professor, Media and Information Resources, Surugadai University Kenichiro HASE |
7 |
Providing descriptive metadata and transcriptions for Collection of correspondence and poems from various officials from the Kumamoto domain |
スタンフォード大学東アジア図書館が所蔵する「熊本藩文人書状集」は現在最小限のメタデータしか存在しないため、立命館大学ARCの「AI くずし字解読支援・指導システム(くずし字解読支援・指導システム)」を使用し当コレクションが既に作成済みのデジタル画像から研究代表者(マッザ)が翻刻文を作成する。翻刻文に基づきスタンフォード大学東アジア図書館OPAC上に公開されるメタデータの充実に努める。 昨年度は諸事情により研究が当初の計画通りに進まなかった為、昨年度に引き続いての申請とした次第である。2022年度の研究申請が受諾されたあかつきには、第2Phaseでチューターの方々に添削・翻刻の指導を継続して受けつつ、全文書の翻刻を完了する予定である。 |
Head of Technical Services/Japanese Technical Services Librarian, East Asia Library, Stanford University Libraries Mieko MAZZA |
8 |
Research for the utilization of digital database "TVCM of the 20th century" |
本研究課題は、立命館大学アート・リサーチセンター内に構築された映像データベース「20世紀のテレビCMデータベース」を研究者に公開し、幅広く研究教育活用を支援するものである。本データベースは株式会社TCJと日本アド・コンテンツ制作協会から貸与を受け、ハイスピリット株式会社とさがスタジオから寄贈を受けた、1950~1990年代制作の日本のテレビCM約18,000本から成る。これまでの外部利用者は2019年度5名、2020年度9名、2021年度8名。研究代表者・分担者は、データベースの運営管理、データの追加・精緻化、閲覧希望者の審査、閲覧者へのアドバイスなどを行う一方で、社会学、メディア史、戦後日本文化史等の観点から自らも本データベースを研究教育に活用する。 |
Professor, College of Humanities and Social Sciences Department of Social Sciences, Ibaraki University Kohei KONO |
9 |
Infrastructure Development of Digital Research Environment for Modern Woodblock-printed. Kuchi-e (Frontispieces) |
本研究は、明治期における木版多色摺口絵に関するイメージデータベースを構築し、そのデジタル研究環境基盤整備に取り組むものである。同資源は当時の出版・読書文化を窺い知ることができるものであるにもかかわらず、その特性ゆえの扱いづらさから、いずれの研究分野からも敬遠されてきた。以上の背景を踏まえ、本研究は、近代木版口絵にかんするイメージデータベースを構築し、その学術的価値の再検討を通じて、同資料を人文学研究の俎上に載せることを目的とする。2022度は、1)朝日コレクションのうち、書籍に挿し込まれた状態の口絵についてデジタル化を完了させること、2)ポータルデータベースを充実させること(登録作品、メタデータともに)、3)これまでの成果についてバーチャルインスティチュートをとおして公開することに注力する。 |
Independent Researcher Tomoo ASAHI |
10 |
A Research Project on Construction of Comprehensive Digital Archives Focusing on the Third Phase Yakusha Hyobanki |
役者評判記は、歌舞伎の演技や役者の動向、興行の実態などを追うことのできる基本的な演劇資料である。そのために、万治から明和期(1658-1772)の役者評判記を翻字した『歌舞伎評判記集成』の第一期・第二期(岩波書店、1972-1977・1987-1995)がすでに刊行され、安永から享和期(1772-1804)を対象とした第三期(和泉書院、2018-)の刊行も進んでいる。 本研究では、第三期の対象となる役者評判記について、ARCのクラウドやデータベースを活用しながら翻字テキストデータの正確性を高めつつ、用字の問題、諸本異同の問題等、役者評判記の諸問題を分析することにより、より有効な役者評判記の活用のあり方を提示し、また、蓄積された正確な翻字本文を索引データベースとして構築し、さらなる広範な利用を実現することを目的とする。 |
Professor, Faculty of Law and Literature, Ehime University Yoko KAGURAOKA |
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Construction of a digital archive of the Yamori family postcard collection and geographical analysis of its images and texts |
2021年4月、立命館大学アート・リサーチセンターに寄贈された矢守家絵葉書コレクション(約1,200枚)の整理とデジタル・アーカイブ構築作業を進める。並行して、画像と文字情報によって、絵葉書が伝える、20世紀前半頃の日本国内の名所旧跡や自然、娯楽や生活風景のほか、災害の様子等について、撮影された場所と年代の特定、景観要素の抽出といった基礎的なデータ分析を行う。これらの調査・分析をもとに、地域情報の伝達媒体としての絵葉書が持っていた文化的、また、社会的な役割とその特質を明らかにすることが本研究の目的である。 |
Professor, Graduate School of Letters, Kyoto University Kazuko SUGIURA |
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Digital Archiving and Promotion of "Tsuchitaro / Mototugu Hayashi's Movie Sounds Collection" |
日本映画における数々の名作を担当した録音技師である林土太郎氏(正確には土に点)、長男の林基継氏が制作時に残した映画・映像の音源(約2000点)の整理およびデジタル・アーカイブの構築作業を行う。映像に関わる音源資料は、日本においてアーカイブ事例が少なくいまだ端緒的な状況であることから、本活動はその嚆矢となる。また、それらの資料に学術的な知見を付与した組織化を進めることで、新しい付加価値を有するNFTアートとして発信することを念頭に置き、国内外に大量に埋没していると想定されるこの分野の文化資源の新たな利活用について検討することを本研究プロジェクトの目的とする。 |
CEO, studio-884.Pro. Co., Ltd. Genki TAKIGAWA |
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A basic research for building a digital archiving of Japan National Railway's documents: Focusing on Daily reports of Moji Railway Bureau. |
本研究は、昨秋にJR九州旅客鉄道株式会社より貸出を受けた、日本国有鉄道・門司鉄道局『局報(甲・乙)』(以下、門鉄文書)のデジタル・アーカイブ化に向けた、基礎的な技術と知見の収集、資料のデジタル化を課題とする。 JR各社による国有鉄道(以下、国鉄)期資料の開示が進んでいないことから、国鉄の誕生から民営化に至る期間の巨大な交通網と社会・経済との関係は、限定的な資料(『鉄道時報』『日本国有鉄道百年史』)と周辺資料の分析によって行われてきた。今回開示された門鉄文書は、大正8年から昭和30年までの門司鉄道局内の旅客・貨物・人事等を記載する日報で、これまで近現代の歴史研究者がアクセスできなかった資料である。この貴重資料の研究利用を可能とするため、デジタル・アーカイブ化に向けた知見の収集を行う。 |
Lecturer, Kyushu Sangyo University Faculty of Collaborative Regional Development Akimasa SUGANUMA |
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Study on advertising materials that early advertisement trade journal " Press Art " distributed |
本研究は昭和12(1937)年に広告現物の頒布を目的に京都で創刊された広告業界誌『プレスアルト』の調査とデータベース化によって、広告表現を時代意識の有力な証言者と位置付けた探究に資することを目指すものである。同誌は戦時5年の停止期をはさみ昭和61(1986)年まで、およそ45年間月刊で発刊された。発行部数が極めて少なく幻の存在だったが、334号分、およそ6千点に及ぶ広告現物のほぼ全てが発行人遺族宅にて発見された。同時期の広告現物資料としては比肩する類例がないこれらを、本研究で調査しデジタルデータベース化する。付属冊子に記載の発行年、印刷種別、制作経緯等とあわせみる事が可能な形式を構築し、社会学・デザイン史・写真史・メディア史といった多方向からの学際的なアプローチが可能な広告史探究資料となることを目指す。 |
Professor, Faculty of Social Studies, Doshisha University Yukie Takeuchi |
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Research related to the database of the collection of the Nakanishi family housing in Suita city. |
大阪府吹田市の旧中西家住宅は、江戸時代に淀藩の大庄屋役をつとめた中西家の住居である。平成19年(2007年)以降に中西家より、吹田市に寄付された。加えて、代々の当主が収蔵してきた、絵画や工芸品などの文化財も吹田市の所蔵品となった。しかしながら、貴重な文化財などを未来へ継承していくための対策がとられていない現状が生まれている。 今回の研究は、その課題の解決につなげるため、旧中西家住宅収蔵品の再調査および、収蔵品のデータベース化を目的にしている。過去に吹田市で作成された収蔵品目録データを活用しながら、進めていく。収蔵品には美術工芸品や古文書が含まれるが、本研究では、美術工芸品の再調査とデータベース化をまず、行う。 美術工芸品だけでも、380点以上あるので、長期間にわたる研究を予定している。 |
Independent Researcher Hisataka Araki |
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Kyoto News" Preservation and Utilization Project |
「京都ニュース」とは、1956年から1994年までの約40年間、京都市広報局が制作し、市中の映画館で上映された市政ニュース映像である。高度成長期からバブル崩壊期までの、京都における市政活動や施策、都市計画による景観の変容、折々の世相や出来事、市民生活、祭事など全容を把握することができるこれらの映像は、「京都学」の見地のみならず、各分野からの学術的なアプローチや研究素材としての価値が大きい。 これまでの研究において、京都市歴史資料館に保管されていた547巻の35mm画ネガ・音ネガ原版の調査と、ARCに寄贈された16㎜フィルムのデジタル化を行った。また、それらデジタル化した映像の一部をデータベース化するとともに、ヴァーチャルインシュティトュートによって公開する準備を整えている。今年度は、これまでにデジタル化(ナレーションのテキストやGISによる場所の特定などを含む)したすべてのデータをデータベース化し公開するとともに、デジタル・アーカイブの運用における課題等について整理する。 |
Representative, The Toy Film Museum in Kyoto Yoneo Ota |
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Research on Gidayubushi Joruris works during the heyday for the expansion and developmental utilization of digital archives |
現在古典芸能として上演される人形浄瑠璃作品のほとんどは近世中期の最盛期の義太夫浄瑠璃作品である。しかし今日まで基礎資料が整わず、研究は後手に回ってきた。本研究ではその時期の未翻刻義太夫節浄瑠璃作品の翻刻を行い、広く資料として公開することを目指す。同時に翻刻したテキストデータをデジタル・アーカイブ化し、文学・言語・音曲等、多角的視点から研究できる環境作りに貢献する。 |
Professor, Tokyo Gakugei University Yoko Kuroishi |
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A Research on the Construction Method of a Web-based Encyclopedia of Theatre |
演劇に関する総合的な事典としては、平凡社版『演劇百科大事典』があるが、すでに刊行されてから六〇年が経っている。その間の新しい研究成果、演劇活動の歴史を組み込んだ新たな演劇大事典を編集する必要がある。本研究では、編集事業そのものを、オンライン上で行い、『WEB版演劇は薬科大事典』を成立されるための、シミュレーションを行い、実質的な基盤を整えることを目的とする。 |
Professor, Faculty of Foreign Studies, Meijo University Masami Iwai |
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A cursive script reprinting class for first-year students in at National Institute of Technology (KOSEN), Maizuru College |
舞鶴工業高等専門学校1年生4クラスの古典の授業において、AIでくずし字を読む授業を展開する。 くずし字に親しんだことのない高専生にとって、AI技術の力を借りることで、くずし字を読むことができる体験を行い、過去のものをいかに次世代へ継承していくか、科学技術と古典が融合し合えること、融合することでどのような新たな世界を切り拓くことができるかを考えるきっかけとする。 加えて、地元舞鶴市が管理する舞鶴市指定文化財 糸井文庫を紹介し、舞鶴、ひいては丹後地方がいかに豊かな伝説を内包し、現代に受容し続けて遺しているかを知る機会とする。 なお、この授業実践は、2020年から行っており、それを継続させるものである。 |
Lecturer, National Institute of Technology (KOSEN), Maizuru College Midori Ogita |
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Dissemination of research results and lifestyle culture using the collection of the Nagae Family Residence |
本研究は、京都市指定有形文化財「長江家住宅」の産学連携による継承プロジェクトの一環である。研究代表者及び分担者は、これまで同住宅の日常の管理や所蔵品整理、北棟の復原改修などに深く関わってきた。本研究メンバーは、長江家住宅からアート・リサーチセンターに寄贈され、現在も長江家住宅の土蔵に収蔵されている1,000点以上の所蔵品及びそのアーカイブデータを用いて,建物の普請やしつらい、家族の生活、町内との関わりなど,京町家の歴史・文化に関わる研究を進める。そして、それらの研究成果を論文・書籍や展示会,インターネットで公開することで,文化資源としての京町家の価値や可能性を発信し,全国の古民家の継承・再生に寄与する。 |
Assistant Professor, Faculty of Regional Policy, Aichi University Hirotaka Sato |
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Re-Examining the Publishing System from 17th through 19th Century Utilizing Murakami Family Historical Documents |
本研究課題は、近世出版研究、近代初期出版研究に携わる立場から、京都の板元・村上勘兵衛家が残した17世紀から19世紀におよぶ出版記録文書(村上家文書、個人所蔵)を対象に、デジタル化と公開、翻刻・読解・分析・考察を進める。それにより、近世および近代初期双方の実態を明らかにするとともに、板元による出版記録という残存量の限られている資料を共有し、学界の研究基盤を拡充する。村上家文書を近世から近代初期にわたる通時的な出版資料として位置づけ、近世出版・近代初期出版双方の実態をあぶり出すのみならず、その過渡期や変容に着目した研究を行う。本研究は科研費(22K00354)を原資とし、ARC-iJACの研究環境を活用して上記内容を進める。 |
Part-time Lecturer, Doshisha University Maya HIGUCHI |
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A Study on Kyoto-Haikai through the 18th and 19th Centuries Concerning Hanakuyo |
京都東山の芭蕉堂で毎年のごとく発刊された『花供養』を全冊にわたって翻刻し、近世後期の京都および全国の俳諧の実態を明らかにする。同資料は、近世後期のおよそ100年間、作者はおよそ全国に及ぶため、近世後期の日本、特に京都の俳諧史資料として有効である。このため、これによって江戸時代の俳諧と近代俳句との連続性あるいは非連続性の検証をおこなうことを目的とする。翻刻データは、すでに公開されている原本デジタル画像と同時に参照できるようにし、研究者間の共有を図る。2017年度より、対象を『花供養』以外の芭蕉顕彰資料に広げており、当年度も引き続き調査を実施するほか、必要に応じてデジタル化を実施する。 |
Ritsumeikan University, Lecturer Chiyoko TAKEUCHI |