講演者の紹介Profiles

田辺小竹Shochiku Tanabe 竹芸家

1973年大阪堺市に三代 田邊竹雲斎の次男として生まれる。
 1999年東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、国内外の個展・グループ展を中心に作品を発表。
 四代に亘る竹工芸の一家に育ち、初代から受け継がれる竹工芸の伝統技法や精神を受け継ぐ一方で、伝統工芸作品をコンセプチュアルな概念で制作する新たな方向性を見出す。現代様式としての可能性を秘めたその竹作品は「バンブーアート」としてアメリカ・ヨーロッパを中心に海外で高い評価を得ている。

Museum collection

フィラデルフィア美術館(USA)、シアトルアジア美術館(USA)、 ボストン美術館(USA)、ロングビーチアート美術館(USA)、サンフランシスコアジア美術館(USA)、日秘文化会館(ペルー)、ボリビア国立博物館(ボリビア)、大英博物館(イギリス)、クラーク日本美術・文化研究センター(USA)


1日目: 発表要旨Overviewつくり手としての竹工芸の継承

竹細工とは異なる、文化的意識を背景に感じる日本の竹工芸をどう次世代に文化財として継承できるかを考えたい。

竹工芸の発展は茶道と深い関係を持ちます。また華道の花器として愛されてきました。
 そうした日本の文化とのつながりが、他のアジア諸国とは異なる竹工芸としての発展を遂げました。
 現在生活様式の変化により、華道・茶道の衰退とともに、文化としての竹工芸は減少傾向にあります。竹工芸作家も少なくなり、若手の作家も育ちにくい環境にあるのも現実です。

技術と精神を人から人へ受け継ぐ日本の文化は、記憶として未来に伝承していく素晴らしい方法です。その文化財をいかに途絶えることなく後世まで残していくかを、つくり手からの立場で考えていきたいと思います。

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