講演者の紹介Profiles

千 玄室Genshitsu Sen 裏千家 前家元(第15代)

大正12年生。哲学博士。文学博士。昭和39年千利休居士15代家元を継承。裏千家今日庵庵主として宗室を襲名。平成14年嫡男に家元を譲座し、千 玄室に改名。

「一盌からピースフルネスを」の理念を提唱し、国際的な視野で茶道文化の浸透と世界平和を願い、各国を歴訪。文部省社会教育審議会委員、中央教育審議会委員等の公職を歴任。
 現在の主な役職に日本・国連親善大使(外務省)、日本国 観光親善大使(国土交通省)、ハワイ大学教授、財団法人日本国際連合協会会長、社団法人日本馬術連盟会長。

文化功労者国家顕彰、文化勲章、フランス・レジオン・ドヌール勲章オフィシエ、UAE連邦独立勲章第1級等受章。国内外で名誉市民、名誉博士号を多数受けている。


1日目: 講演要旨Overview守る人の心

日本人が創造し、現在に至るまで伝世しけきた文化財は、建築・工芸・美術に限らず全ての分野で、それを愛する人がいて、始めて守られていくものである。
 美術とは、創る人がいて、受容する人の感性に呼応するからこそ大切にされていくものである。

時には日常の雑器である民芸品の中にも、感性を揺さぶられるものがあるからこそ民芸運動は起こったわけである。
 一方、茶道具の多くも「用の美」と言われるように茶人の琴線に触れるからこそ使用されてきたのであった。何の分野に限らず文化財は「愛玩」がなければ将来はありえない。

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