歌舞伎は舞台を観て楽しむ芸能である。しかし人気が高まり、観客が芝居や役者に親しむようになると、人々は単に観劇するだけでなく、その芸や魅力について語り、評価し、意見を交わすようになった。誰の演技が優れていたのか、どの役者が人気を集めているのか――。こうした関心は、歌舞伎を論じるためのさまざまなメディアを生み出していく。 歌舞伎に関する批評や評論、役者紹介、公演記録などを掲載した出版物は、江戸時代から近代・現代へと受け継がれ、歌舞伎文化を支える重要な役割を果たしてきた。それらは舞台の記録であると同時に、人々が歌舞伎を理解し、その魅力を共有するための媒体でもあった。 本節では、歌舞伎を「観る」だけでなく、「語る」ことを支えてきたさまざまな出版メディアを紹介する。(戸塚)
3.4.歌舞伎雑誌
