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白楊荘文庫について

 白楊荘文庫は、日本近代文学研究者で歌人でもあった故・小泉苳三(1894-1956)の旧蔵書が寄贈されたものです。氏は、1937年立命館大学専門学部文学科教授に迎え入れられ、1947年までの10年間、教壇に立たれました。専門は近代短歌史で、『明治大正短歌資料大成』を立命館出版部から刊行、またその資料に基づいて『近代短歌史 明治篇』など近代短歌の成立期に関する優れた業績を次々と発表しました。1952年には「明治短歌史の研究」で文学博士の学位を取得。また同時に歌人として、短歌結社「ポトナム短歌会」を主催、雑誌『ポトナム』を創刊し、『夕潮』『くさふぢ』『山西戦線』『くさふぢ以後』の4冊の歌集を残しました。
 白楊荘文庫の中心をなすのは、氏が生涯にわたって収集された歌書であり、図書2132冊、雑誌448タイトルに及ぶ、他に類例を見ないユニークなコレクションです。近代短歌の黎明期である幕末・明治の貴重書はもちろん、大正・昭和の代表的な歌人の歌集も多く所蔵されており、近代短歌史を概観するには不可欠な資料が揃っています。

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