文楽 夏休み特別公演

文楽「夏休み特別公演」

日時

2006年7月21日(金) ~8月9日(水)
☆休演日 2006年7月31日(月)
開演時間 ●第1部=11時 ●第2部=14時30分 ●第3部=19時

場所

国立文楽劇場

料金

-

第1部=11時《親子劇場》
武者と鬼との大スペクタクル!
  「増補大江山」戻り橋の段
解説「文楽はおもしろい」

母と子の愛情ものがたり
  「恋女房染分手綱」道中双六の段・重の井子別れの段

●第2部=14時30分《名作劇場》
夏祭浪花鑑
 住吉鳥居前の段/内本町道具屋の段/釣船三婦内の段/長町裏の段
連獅子

●第3部=19時《社会人のための文楽入門》
解説「おおさかの人びと そして文楽」
夫婦善哉
  北新地曽根崎茶屋染太郎の段/上塩町がたろ横丁一銭天婦羅天たねの段
  高津日本橋筋黒門市場裏二階間借りの段/下寺町電停前カフェーサロン蝶柳の段
  千日前法善寺横丁めをとぜんざいの段
 
*主な出演者*
 竹本住大夫・鶴澤寛治・吉田簑助・吉田文雀

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東京人が大阪遠征して文楽を見る人が増えている。
理由は様々である。今回の三部は文楽の現代劇といおうか、江戸時代やそれ以前の武士や町人が出てこず、大正から昭和の大阪を舞台にした「夫婦善哉」、つまり現代劇であるため、東京ではなかなかやることもないため、わざわざ見に行こうというのだ。

『夏休み特別公演 第三部社会人のための文楽入門 おおさかの人びと そして文楽 「夫婦善哉」』という長ったらしい名前の公演。名古屋や東京から大勢の人が見に行った。

文楽の「夫婦善哉」は、作曲者である野澤喜左衛門さんの再演直前での他界という悲しい出来事もあり、ずいぶん前に見たきりで、しかし今回はかなり演出も手を加えたというので、ますます興味が募った。
夫婦善哉の作者は、坂口安吾、太宰治とデカダン文学の旗手と言われた小田作之助。大学時代にこの3人の小説を読み耽ったものだが、オダサクは大阪へ行き、柳吉というぼんぼんを彼流のデカダンとして描いている。「太宰治坂口安吾の世界反逆のエチカ(柏書房)」を読むと、太宰・安吾・織田作の座談会が掲載されており、痛快抱腹絶倒、たまに常軌逸脱傾向も感じられるが、かなり参考になる。
大阪のどうしようもないぼんぼん柳吉と気の強い蝶子。原作ではシリアスに描かれていたが、今回の演出が吉本新喜劇の竹本浩三さん。そうそうシリアスには終わらせない。大阪流の笑いのツボがある様に、随所で笑わしてくれた。休憩時間にロビーでお客様の声を聞いていたが、「こういう内容やったら文楽見てもええね…」という声をいくつも聞いた。確かに理解しやすく中にも入りやすい。舞台の盆を巧みに操り、照明音響の効果も十分使い、本来幕間になるところを、床に大夫三味線を残し、録音されたテープで対応するなどアクティブに処理されているから普段見慣れている”文楽”に比べたら面白いだろうと思う。

さて、その文楽としての「夫婦善哉」はどうであろう。
何十年も見てきた人間には、口上がないと、またキがないと向こうの世界へ入る気持ちの切り替えがうまくいかない。「これは文楽じゃなくて人形芝居」と思えば自然に入れるのかもしれないけど、新作が出るたびにそう思うのも抵抗があります。でも、本来、文楽はこうでなきゃ、というものはないはず。いろんな手段があっていいと思う。こういった演目でお客様が増えるのなら年に一度はこの手のものをやるべきでしょう。半面、しばらく舞台に上げていない旧作の復活も視野に入れる必要性もあります。この二つをバランスよく考えるのが国立側と協会だと思うのだが…。
東京ではチケットが売れるのに、大阪では…という現状も意識しきゃいけない。この日の3部は、ボクは10列目に座った。余談だがここの列はいい、前が通路なので足が窮屈ではないし、目の前にお客様がいないので、舞台もよく見えて。そのお客様といえば10列よりは前は入っていますが、それ以降はかなりガラ~ンとしていた。運営する側に危機感はないのだろうかと思わず思ってしまう。
夫婦善哉、久しぶりの上演で出演者は台詞に戸惑っただろう。呂勢さん、英さん、嶋師匠、苦労されたと思う。人形も出遣いは最後の法善寺のところだけ。勘十郎、和夫ファンには残念でしたでしょうね。

大阪を伝える素晴らしい文化でもある文楽。ファンの人だけで応援していても、いくら技芸員の方が苦労しているだけでは始まらない。もっとお客様が増える策を運営側は積極的に展開して欲しい、そう改めて感じた大阪遠征であった。

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