A6.06 青楼仁和嘉 浅妻船

絵師:歌麿〈1〉
出版:寛政3年(1791)~享和4年(1804)
判型:間判錦絵
所蔵:国立音楽大学附属図書館(竹内文庫)
作品番号:80-1510

旅人を待つ遊女が烏帽子、水干を着けた白拍子の姿で、柳の下の船で鼓を打つ姿を描く「浅妻船」の舞踊。この絵では烏帽子はつけているが水干を着ていない。鼓ではなく、「娘道成寺」などの日本舞踊で使われる小さな鞨鼓を胸につけ、両手にバチを持っている。浄瑠璃の富本安和太夫は、寛政年間の『吉原細見』に男芸者として名前がみえる。絵の左端で、扇で口元を隠しているのが富本安和太夫であろう。