A6.02 青楼仁和嘉尽

絵師:清長
出版:天明3年(1783)
判型:中判錦絵2枚(3枚続の内中央欠)
所蔵:国立音楽大学附属図書館(竹内文庫)
作品番号:80-1363~64

平野千恵子氏目録No.495。3枚続の左右2枚。欠けている真ん中の絵には「青楼仁和嘉尽 京町二丁目 かしまをとり 名賀歌ひたちおび」に続いて、「長歌 湖出市十郎」以下の長唄連名がある。左1枚の絵の黒紋付に袴姿の3人の男性は、右から三味線の初世杵屋正次[治]郎、長唄の初世湖出市十郎、芳村伊三郎とみられる。鳥居清長は、湖出市十郎と杵屋正次郎が出演した同年(天明3年)4月江戸中村座上演「再咲花娘道成寺」の出語り図も描いており、2人とも顔の特徴が一致している。「荻江文三」は、天明3年版『吉原細見』の男芸者之部に名前がある「文三」であろう。子供中の万頭に描かれているのは「八咫烏」。