A2-4-3「妖怪かるた」
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作品名:「妖怪かるた」
絵師:一橋齋艶長
判型:6×4cm
所蔵:国際日本文化研究センター
次は、する遊戯の一つとして「妖怪かるた」を紹介する。これはいろはカルタの一種であり、いろはカルタと同様に「いろはにほへと」の四十七文字に「京」を加えた四十八の文字で始まる文章を読み札に書き入れている。妖怪の名前だけで綺麗にいろはにほへとに合うものを見つけるのは困難なため、「はにふむらのかさね」のようにそれらがあらわれた土地や妖怪の性質などが読み込まれ、いろは順を実現する工夫が凝らされている。また、読み札は平仮名書きである所から子どものための玩具であったことが見える。妖怪かるたに出てくる妖怪の種目は、①有名な説話・伝説に登場する妖怪(鵺、殺生石、清姫など)、②草双紙の人気妖怪(ろくろ首、見越入道、豆腐小僧など)、③歌舞伎・浄瑠璃の人気妖怪(皿屋敷・累・四谷のお岩など)、④創作妖怪(利欲の心火・連木の化物など)の大きく四つに分けられる。昔から語り次がれてきた伝説的な妖怪から遊び心で創作された妖怪までが同じかるたに収録され、同等の扱いを受けていることから妖怪図鑑的な意味合いも感じられる。(池田)
参考文献
香川雅信『江戸の妖怪革命』河出書房新社、2005年
日本かるた文化館『四 「化け物かるた」』「日本かるた文化館HP」(参照2021-03-27) -
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