B1-1 見越入道【みこしにゅうどう】
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作品名:「新形三十六怪撰」「おもゐつゝら」
出版: 明治25年 (1892)
絵師:月岡芳年
判型:大判錦絵
所蔵:国立国会図書館(NDL-542-00-038)鉄板妖怪初めの1人として、『見越し入道』を紹介する。見越し入道は、坊主姿の巨大な妖怪である。見越し入道が「見越し」という名前の由来は、夜道を歩いている人を自身の巨体を活かして後ろから見越し、顔をのぞき込む所からきている。種類としては、2パターン存在しており、背が高くなるものと首だけ伸びるものがいる。
現在では馴染み深い妖怪ではないが、江戸時代後半の草双紙の中では、妖怪たちの親玉=見越し入道であり、当時の人々にとっては認知度が高いメジャーな妖怪であった。草双紙の中では首を伸ばすものが定番であり、そちらのパターンが定着していた。一見、次に紹介するろくろ首と違いがないように思えるが、見越し入道は坊主頭に無精髭を生やし、がっちりとした体格の男。また、首も細長いろくろ首とは異なり、太くて皺がはいっているという特徴がある。(池田)参考文献
小松和彦[ほか]編集委員『日本怪異妖怪大事典』、東京堂出版、2013年