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2006年01月01日

●林美一コレクションについて

 江戸戯作・艶本研究で知られる林美一氏が生前に蒐集した江戸期絵本を中心とするコレクションである。その多くは、極彩色の挿絵が入り、すぐれた版画美術品ともなっている。ジャンル的には、浮世草子から、風俗絵本、黄表紙や合巻、洒落本・滑稽本・人情本の類、馬琴を中心とする読本類であり、そこに艶本・春本が、混在している。いずれにせよ、いわゆる軟文学が主体となるが、出版史の裏面までバランスよく蒐められており、これほどの質と量を持ったまとまったコレクションは類を見ない。
 なお、江戸期板本類以外にも、江戸文学・江戸風俗史研究に関する文献は、ほぼ網羅されており、この面でも貴重な資料となっている。