10 宗貞 小町姫
画題:「恋合端唄尽し 宗貞 小町姫」
絵師:三代目豊国
落款印章:豊国画
落款印章:豊国画
判型:大判/錦絵
版元名:若狭屋 与市
改印:申十一改
配役:宗貞…三代目市川市蔵 小町姫…三代目沢村田之助
※この配役による上演は見つからない。
「積恋雪関扉」の一場面を描く。
宗貞が関兵衛の怪しい様子に気づき、小町姫に小野篁に告げに走らせる直前の場面。
二番目の歌詞には、「またいつか逢おうじゃないか」という小町姫や宗貞の心情を表現している。
深草少将は宗貞ともいわれ、そうであるならば、宗貞と小町姫の物語は「積恋雪関扉」の他に「百夜通」にも通じる。「百夜通」での二人の恋は、小町のところへ百夜通う少将が最後の晩に大雪が降ったため、途中で凍死してしまい、結ばれずに終わってしまう。一方、「積恋雪関扉」では二人のその後の恋愛模様は書かれていない。
宗貞が関兵衛の怪しい様子に気づき、小町姫に小野篁に告げに走らせる直前の場面。
二番目の歌詞には、「またいつか逢おうじゃないか」という小町姫や宗貞の心情を表現している。
深草少将は宗貞ともいわれ、そうであるならば、宗貞と小町姫の物語は「積恋雪関扉」の他に「百夜通」にも通じる。「百夜通」での二人の恋は、小町のところへ百夜通う少将が最後の晩に大雪が降ったため、途中で凍死してしまい、結ばれずに終わってしまう。一方、「積恋雪関扉」では二人のその後の恋愛模様は書かれていない。
本作は、二人がこの後どのような恋愛を繰り広げたのかを想像させるには打って付けであろう。
〈翻刻〉
「ゆきは巴ふりしきり 屏風かこいのなかたちに てうとちとりの三ッふとん もと木にかへるねぐら鳥 まだ口青いじやないかいな
「月は雲万にいり汐の あいつは恋の道しるべ ちふいとかりねのなげぶとん 人目をかねるしのびぢに まだいつあおうじやないかいな
「花のおもひは雪の中 ほんのりみゆるふくみづに あたとなさけを白梅に 恋にはめけぬ水仙も まだおくをひとへのさかやどり