2009年4月24日
2009年度活動計画
本研究プロジェクトは昨年度に引き続き、「近代京都における映画文化とそのアーカイブス」をテーマに活動を行っています。今年度は、主に昨年度までに蓄積された基礎データを用いたデータベースの作成、公開を目指します。
まず、本プロジェクトの目的は、主に以下4点の教育研究活動を通して、近代京都における映画文化の歴史や様相を明らかにし、そのプロセスと結果を通して映画文化のアーカイブ活動の実践と拠点を形成することにあります。
1)ARCプロジェクト型研究でおこなってきた学術フロンティアでのマキノ映画研究、オープン・リサーチでの京都映画デジタル復元、COEでの初期映画ならびに大映京都映画研究、の各主題と方法論の深化。
2)上記1)の活動を通してアーカイブした文化資源・蓄積データ(静止画、動画)について、デジタル・ヒューマニティーズの観点から研究資料としての公開手法を研究。
3)マキノ映画や大映作品を主な対象とし、京都で制作された映画にみられる京都・日本表象の生成・受容について、ビジュアル・スタディーズや歴史学・社会学的観点から研究。
4)日本における初期映画の生成・受容様態と、映画前史メディア(錦絵・挿絵・幻燈・絵葉書・地図等)との比較研究。
09年度は、上記の教育研究活動のうち、以下Ⅰ.~Ⅲ.を重点的に実施します。
Ⅰ.08年度まで収集した上記1)~2)の蓄積資料・データ(以下①~④)の整理と制限付公開。
① マキノ関係資料(スチル、雑誌、作品、人物情報等)
② 大映京都撮影所関係資料(スチル、スタジオメール、作品、人物情報等)
③ 京都映画人オーラルヒストリー収集映像
④ 収集フィルムのデジタル化映像
⑤ 収集フィルム中、小型映画(ホームムービー)のアーカイブ手法調査
Ⅱ.3)の映画における日本表象の生成・受容に関する講演・シンポジウム活動
① 京都国立近代美術館展覧会『「前衛都市・モダニズムの京都」1895-1930』への出品・企画協力および講演
② 日文研・アルザス欧州日本学研究所共催シンポジウム「他者になること. 東洋と西洋において、文化の変容を通じて語られ、そして経験されてきたことがらをめぐって」での報告
③ 日本映画における日本表象の生成・受容、日韓映画史に関する講演会開催
Ⅲ.4)の基盤調査である「日出新聞映画・芸能記事データベース(仮)」の作成と公開
① 大正期既入力分(1916~ 1918年) の整理と公開
② 明治期既入力分(1909年) の整理と公開
③ 大正期新規入力分( 1921~1922年) の作成
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