略 歴

青柳 正規
あおやぎ まさのり
1944年大連生。ギリシア・ローマ考古学者。博士(文学)。2006年紫綬褒章。2007年日本学士院会員。
ポンペイ「エウローパの舟の家」(1974-78)、シチリアのレアルモンテのローマ時代別荘(1980-86)、タルクィニア近郊のローマ時代の別荘(1992-2003)、ソンマ・ヴェスヴィアーナの所謂「アウグストゥスの別荘」(2002-)の発掘調査にあたる。
■ 主な著作
主な著作に、『エウローパの舟の家』(地中海学会賞)、『古代都市ローマ』(マルコ・ポーロ賞、浜田青陵賞)、『皇帝たちの都ローマ』(毎日出版文化賞)、『トリマルキオの饗宴』、『ポンペイの遺産』(小学館)、ジュゼッピーナ・チェルッリ・イレッリ氏との共著に『ポンペイの壁画』(岩波書店)、糸井重里氏との共著に『ポンペイに学べ』(朝日出版社)などがある。
■ コメント
きわめて時宜を得た課題のシンポジウムと思います。
要 旨
「人文学におけるアナログ情報とディジタル情報」
1999年から文科省の科学研究費補助金によって、イタリアのポンペイ壁画に関する世界でもっとも充実したディジタル画像のアーカイブを構築すると同時に、コンピュータ・グラフィックによる「ジュリオ・ポリビオの家 Casa di Jiulio Polibio」の復元ビデオを制作した。この研究と作業の過程でディジタル情報による記録保存の脆弱性に直面し、2006年にPompei (Regiones VI-VII) -Insula Occidentalis, Napoli pp. 560を発行した。なぜ、印刷によるポンペイ壁画のカタログを出版したかをアナログ情報とディジタル情報の比較から考える。
