DH-JAC2009 第1回日本文化デジタル・ヒューマニティーズ国際シンポジウム

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略 歴

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赤間 亮
あかま りょう

立命館大学大学院文学研究科 教授。

1960年北海道生。日本文化史。

 本拠点では日本文化研究班のリーダーとして、多数の研究プロジェクトを立ち上げるとともに、世界中の浮世絵をデジタル・アーカイブ化することを目標に、世界を飛び回っている。


■ 主な著書、論文

 代表的な著書に『岩波講座歌舞伎文楽 第四巻 歌舞伎文化の諸相』(共著、岩波書店、1998)、『図説江戸の演劇書』(八木書店、2003)、論文に「関西都市と芸能を科学する」(共著、「電子通信学会会誌」2003・5)、「浮世絵デジタルアーカイブの現在」(共著、「情報処理学会研究報告」2008-48)がある。


■ コメント

 新たな分野として急速に拡大しているデジタル・ヒューマニティーズの世界の推進役を一堂に会する画期的なシンポジウムになりそうで、楽しみです。

要 旨


「芸術文化研究におけるWeb画像DBの活用 −浮世絵研究を事例に−」

 博物館や美術館に収まってしまったものは、一般的に特別な研究的人脈を持たなければ、研究ができず、それが展覧会などで公開されるまでは、外部の研究者の研究資源とならない。博物館にとっては、所蔵品を公開するためには、それが何物であるかを解明し、公開に耐えられるだけの修復を施さなければならない。資料を持つ者は、「所有権」があり、「情報操作の特権」を有している。こうした構造上、閉鎖的にならざるを得ない、「業界」に風穴を開けたのが、所蔵品の画像DB公開であり、所蔵者側の論理では、運営資金獲得のため切り札、あるいは踏絵として、各国とも、このWeb所蔵品画像DBの構築は、緊急の課題となってきている。
 こうした動きの中で、研究者は、特別な人脈がなくとも格段の情報量を保有できることとなったが、情報操作の特権を放棄した所有者に対して、研究者はどのように研究成果を公開し所有者にバックしつつ、情報共有化すべきなのか。発表者が展開する浮世絵における事例を紹介しながら、その方法を提案していきたい。