色紙 <SHIKISHI>
本来、白紙を含む染色紙「いろがみ」を意味した。 色紙の原義となった「色紙形」は、十世紀以降、屏風、ふすま障子、衝立などに描かれた絵讃を書く空間として登場した。 絵讃は、絵の隅に色紙形が描かれ直接歌が書かれたり、色紙に歌を書き、それが貼られたりした。 はじめから鑑賞用、装飾用として用いられた料紙であるため、実際的な歌会で用いられた懐紙や短冊とも異なる性質のものである。 また、現在考えられている方形で厚手の紙としての色紙が定着したのは、室町末期、近世初期以降である。