C1-4 『頼光山入』

資料名 : 『頼光山入』
作者 : 五柳亭徳升(作) 、歌川国安(画)
員数・装丁・判型 : 中本一冊
年代 : 文政10年(1827)
資料番号 : arcBK03-0457

 本作は題簽に「頼光山入」とあるが、内容から合巻『四天王其源』(してんのうそのみなかみ)であると考えられる。序文には蕙斎主人(=北尾政美)の金時一代記を選択・模写したとあり、遷喬堂万年が序文を寄せる黄表紙の作品をさすと考えられる*。内容は頼光と四天王の勲功記であり、数々の武勇譚の山場として酒呑童子説話が取り上げられる。物語の筋書も、最初に追討の宣旨を下されるのが頼光の舎弟である頼国で、道中で敵の奇襲に遭い苦戦してやむなく帰京し、その後頼光に討伐の役目がまわってくるという展開になっている。
 版本で伝えられる酒呑童子説話は、絵巻以上に作品ごとの差異が細分化される。たとえば、討伐における神々の加護の描写にも、文政以降差異が見えるようになり、自力で討伐を遂行する作例もみられる。酒呑童子については、「悪鬼」、「賊鬼」、「逆賊」などの様々な呼称を確認することでき、酒宴場面における童子の風貌も鬼から盗賊まで多様に描かれている。実際に、酒呑童子の正体をめぐる解釈においても丹波に漂着した異人説、山賊説、鉱山労働者説など、多岐にわたる。

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