C1-3 『岩神乳守/双面■』
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資料名 : 『岩神乳守/双面■』*(いわがみちもり/ふたおもてしゅてんどうじ)
作者 :
員数・装丁・判型 : 中本二冊
年代 : 明和6年(1769)
資料番号 : hayBK03-0140本作は酒呑童子の出生譚や鬼退治に至るまでの過程に趣向を凝らした作品である。越後国・古志郡の百姓の女房に男子が産まれるが、母は出産時に亡くなり子は貰い乳で育てられる。子に乳を与えた女は皆死に、その子は「鬼子」と呼ばれ恐れられ、越後の国上寺に預けられる。時が経ちその子は「まふくた丸」と名乗り、15歳で出家しようとするも鬼に妨害され、いつのまにか駆け落ちして行方不明となる。その後彼は京都・法性寺の上人となっており、乳の出が悪い女たちがこの上人の加持を受ける(上人が女の乳を飲む)と不思議と乳の出がよくなると評判だった。中宮御産の祈りの際に上人が中宮や池田中納言の娘・花園姫に加持を行い、中宮は皇子を出産する。上人は花園姫に恋慕し乳を吸おうとするが安倍晴明に阻まれてしまう。憤った上人は自分の正体が酒呑童子であることを明かして立ち去り、その後洛中洛外の男女が失踪する事件が多発する。花園姫は病に伏せり源頼光の警護下にはいるが、変化した酒呑童子による奇襲を受ける。童子は一度退散するが、同じく花園姫に恋慕し奪おうと画策する藤原友春を利用して姫を攫うことに成功し、頼光一行は鬼退治へと大江山に向かう。二人になった綱に碁を打たせ、その後まさかりに映った虚像で酒呑童子を見破る趣向もみどころである。当時の浄瑠璃正本や他の頼光説話の要素を重層的に取り込んだ作品である。