中国の仏塔:棲霞寺舎利塔その2

降魔成道(棲霞寺舎利塔 基壇浮彫のうち)
江蘇省南京市、中国
10世紀

 棲霞寺舎利塔の基壇部分には、8つに区切って、釈迦八相(しゃかはっそう。釈迦の伝記の内、代表的な8つの場面)の浮彫が配置されています。8つの場面は、時計回りに①托胎霊夢、②誕生と灌水、③四門出游、④出家踰城と苦行、⑤尼連禅河沐浴と乳糜奉献、⑥四天王奉鉢、⑦降魔成道、⑧涅槃と荼毘です。
 お示ししたのは、このうちの⑦降魔成道(ごうまじょうどう)で、菩提樹(ぼだいじゅ)の下で、釈迦が悟りをひらこうとした際、悪魔たちがその邪魔をしようと押し寄せる場面です。中央に坐しているのが釈迦で、左右から様々な武器を手にした悪魔の軍勢が釈迦に襲いかかろうとしていますね。結果的に、釈迦はそれらに惑わされることなく、悟りの境地に到達することになります。

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