中国の仏塔:仏宮寺釈迦塔(応県木塔)

仏宮寺釈迦塔(応県木塔)
山西省朔州市応県、中国
1056年

 山西省朔州市応県にある仏宮寺は後晋時代(936~946年)の創建と伝えられています。寺内にそびえ立つ釈迦塔は、高さ66.67m、八角五層の木造塔です。第三層の「釈迦塔」と書かれた扁額(へんがく)の裏に、金の明昌6年(1195)の修理を記した銘文があり、それによると、遼・清寧2年(1056)の建立であるとされています。八角屋根の重なりが、たいへん重厚なシルエットを見せ、とても美しい仏塔です。
 中国に仏教が伝来して以降、雲岡石窟でみたような浮彫のみならず、木造による仏塔の実物も多く建造されたと考えられますが、古い時期のものは、考古学的発掘によってその遺構が知られるのみです。この釈迦塔は、現存する木造仏塔として、中国では最古となる点でとても貴重です。

▶次のページ

◀前のページ

◀◀このコーナーのトップページへ戻る

arrow_upward