中国の仏塔:神通寺四門塔

神通寺四門塔
山東省済南市、中国
611年

 山東省済南市の郊外に位置する神通寺は、前秦の皇始元年(350)創建の古い歴史をもつお寺です。写真の仏塔は、高さが15mの石造で、正方形四角の4つの各側面に入り口があることから、四門塔と呼ばれています。屋根の石版に隋の大業7年(611)銘が刻まれ、この時期に建立されたと考えられています。単層のシンプルな形状ですが、頂上部の輪を重ねた相輪および山華蕉葉(さんかしょうよう)と呼ばれる四隅の三角状の出っ張りが、雲岡石窟第2窟東壁の仏塔浮彫に似ています。中国では、このような単層屋根に正方形の四側面で構成される仏塔も少なからず建造されました。

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