藤井大丸と山鉾見物

ID:nagaeke_2282、資料形態:現像写真(55×79㎜) 

 四条通から寺町通へと辻回しする放下鉾(奥)とそれを待つ岩戸山(手前)を写した写真です。左端に写っている手は、船鉾の舳先に寄りかかる囃子方の手であり、この写真も巡行中の鉾上から撮影されたことが分かります。四条通の南側にみえる3階建てのレンガ造の洋館と4階建ての和館は藤井大丸呉服店です。1895(明治28)年築の和館は、「あかがね御殿」と呼ばれ、京都内外から親しまれました。その2・3階には、見物席が特設されており、優雅に山鉾見物を楽しむ人々の姿がみられます。一方、四条通では、日傘を差したり、カンカン帽被ったりするなど、暑さ対策をした見物人が鉾の近くまで寄っています。藤井大丸の洋館は1912(明治45)年に新築されたもので、和館から本店機能が移されて以来、1935(昭和10)年の百貨店開店まで使用されました。放下鉾や藤井大丸の洋館の奥には、巡行の目的地となる四条御旅所があり、多くの献灯がみえます。

                  現在の藤井大丸

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