新町通を北上する長刀鉾

ID:nagaeke_1810、資料形態:現像写真(183㎜×126㎜)

 四条烏丸の長刀鉾町に帰町するため、新町通を進む長刀鉾の姿です。長江家の目の前、船鉾と町会所を渡す桟橋の上から南向きに撮影したものと思われます。1956年の巡行路の変更まで、すべての鉾は松原通 から新町通に入り、長江家の前を通って各町内に帰っていきました。現在、長江家住宅の前を通る鉾は船鉾のみです。当時、長刀の稚児は松原東洞院で鉾を降りて、先に町内に帰っていました。そのため、この写真では、稚児の姿は見られません。周囲の景観に目をやると、八坂神社の神紋である三つ巴と木瓜が描かれた提灯が各町家の前に整然と並べられ、軒先には各家の家紋をあしらった幔幕が掛けられています。この写真は、過去の新町通の祭礼景観を詳細に伝える資料としても貴重です。2枚目も写真も新町通の長江家の前から南から進行してくる月鉾を写したものです。3枚目も長江家の前からですが、1、2枚目とは反対の北向きで、鶏鉾の後ろ姿を撮影したものです。鶏鉾を見送ったり、次に来る鉾を待ちわびたり、何かを食べたり、思い思いに巡行を楽しむ子供たちの姿がよく見え、見物人で混雑する四条通とは異なる穏やかな雰囲気が漂います。

【左】ID:nagaeke_2263、資料形態:現像写真(115㎜×80㎜)【右】ID:nagaeke_2260、資料形態:現像写真(115㎜×80㎜)

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