船鉾を支える人々

ID:nagaeke_2328、資料形態:現像写真(80×118㎜) 

 山鉾の巡行は、様々な人々によって支えられています。裃を来た人々は町内の旦那衆です。彼らは人材や資金、場所などの諸資源を出し合いながら、代々町内で船鉾を守り伝えてきました。巡行当日は正装を身に纏いながら鉾にお供し、行列を成して練り歩きます。法被を着た人々は車方といい、鉾建ての際に巨大な車輪を取り付ける職人集団です。巡行時、彼らカブラデコを車輪に噛ませて進行方向の調整を行ったり、カケヤでブレーキを掛けたりして巡行を制御します。浴衣を着た人々は音頭取と呼ばれ、鉾建ての際に鉾の躯体を組み立てる手伝い方が務めます。彼らは「ヨーイ、ヨーイ、エンヤラヤー」という掛け声と共に扇子を進行方向に差し出す所作で動き出しの合図を送ります。ここには写っていませんが、他の写真で紹介する大工方(屋根方)や囃子方、曳き手など、町内外の様々な人々が役割を分担し、協力することで山鉾巡行は成り立っています。そして、旦那衆と一緒に写る子供たちは未来の船鉾を担っていくことを期待される大切な人材です。

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