四条寺町の賑わい

ID:nagaeke_0635、資料形態:現像写真(41×62㎜) 

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 昭和初期の四条寺町の街並みを放下鉾(奥)と岩戸山(手前)が進みます。岩戸山の奥にみえるとんがり帽子の建物は、「カドヤ」という敷物屋(ケットヤ)で、現在も同地のビルに同じ名前が残されています(喫茶店やお好み焼き屋がテナントとして入居)。寺町通を挟んだカドヤの隣には、「キリンビール菊水館」という看板を掲げた洋風建築がみえます。ここは洋食のレストランで、バルコニーや三階屋上部分は山鉾巡行を見物する特等席となっています。真夏の巡行を見下ろしながら飲む冷たいビールは格別であったことでしょう。菊水館の名前も同地に菊水ビルとして現在も残っています。2枚目は、1枚目と同じ時、岩戸山の後ろに続く船鉾を写したものと思われます。また、船鉾の前後に見える丸型五灯付の街灯は大正時代に武田五一の設計によるもので、四条通でのみ設置されました。これら連続する2枚の写真は多くの見物客で賑わう四条寺町の様子を生き生きと伝えており、昭和初期の祇園祭の賑わいを示す貴重な写真です。

ID:nagaeke_0634、資料形態:現像写真(41㎜×62㎜)

 

                                       現在の四条寺町の様子

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