杭州話劇団

杭州話劇団 五幕八場話劇『秋海棠』戯単

縦19.3cm 横26.5cm、二面

1950年代後半?

資料番号 zgXD020-01

三須祐介所蔵

杭州話劇団は、1956年、民営の杭州星火話劇団を改組して成立した話劇の上演団体であり、現在の杭州話劇芸術中心の前身です。上演場所は、1931年に現在の位置(茂名路57号)に再建された蘭心大戯院(Lyceum Theatre)で、新中国建国後に上海芸術劇場と改称しました(1991年に旧称に戻る)。この戯単には上演期日の情報がありませんが、1958年にはこの劇団が同じ劇場で別の演目で上演している記録があり、おそらくその前後か、60年代の初めのものではないかと考えられます。演出(原語は「導演」)は呉倫、舞台設計は李毅で、原著者の秦痩鴎の名も見えます。下部には配役表(原語は「演員表」)があり、上が役明、下が役者名となっています。主要な配役は、秋海棠役が謝俊、羅湘綺役が陸雪、梅宝役が南方となっています。

裏面は「本事」と言われる劇の梗概が、幕と場ごとに分けて書かれています。この戯単には、原著者の名は記されていますが、脚本については明記されていません。しかし、幕と場の構成から考えると、上海芸術劇団の話劇脚本の序幕のみ除いた内容とほぼ同じであり、これを踏襲した上演だったと考えられます。下部にはスタッフ一覧(原語は「職員表」)が付されており、上が職掌、下が担当者名という構成になっています。独立して「宣伝」という職掌があるのは珍しいかもしれません。かつての地方劇団の活動状況、しかも外地での上演などはまだわからないことが多く、この戯単は研究を進める上で重要な資料になりうるでしょう。

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