楊家埠木版年画の制作風景

木版年画の制作過程の中心となるのは「画、刻、印、表(表装)」の4つです。三大年画産地の中の二つの楊柳青と桃花塢においてはこの四つの部分をそれぞれ専業専業の職人が分担し、他の専門部分に関わることは基本的に禁止されていました。それに対し、楊家埠では専業の職人がおらず、主に村の農民たちによって農作業の合間に副業として年画は作られていました 。そのため、伝統的な楊家埠年画の制作は一人の制作者が一貫して四つの制作過程を手がけます。

版木は線画を陽刻した線版と、着色用の色版の二種類があり、版木の木材の選択は年画の出来に直接影響を及ぼします。素朴さが特徴の楊家埠ではいまでも古くからの伝統制作技法を使い続けていて、細かな装飾が少なく、図案の構成が単純で色彩方法も大らかです。線版で輪郭を刷って、二組の反対色ーー赤と緑、黄と紫ーーを用いた大胆な色使いによって高い装飾性意味性併せ持っています。

写真:色版を使った着色

撮影:張憲、2017年10月於楊家埠

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