古銭の収集家
03.金石図

タイトル:金石図
資料番号:FB.282.35
 牛運震(1706 − 1758)編,褚峻(生没年不詳)図,清代金石学研究の代表作です。金石学とは布や紙に書かれる文献史料と区別し,青銅器・石碑・墓誌・古銭などに刻まれた銘文や画像研究の一種です。本書は1736年頃の成立と見られ,当初は『金石経眼録』の名前で呼ばれ,のちに増補され,『金石図』として,1743年に出版されました。本書所収のイラストは拓本などに由来するものもあれば,褚峻の手によって石碑の形状をうつし,文字を模写する手法が採用されました。金石学の研究資料が石や青銅器の媒体から紙に転換したことが高く評価されます。ロックハート卿はこれらの書物とともに自らも古銭を蒐集・整理し,『The Currency of the Farther East』(3巻)の著作を世に残しました。

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