【動画】1930年の船鉾の巡行(前半)

ID:nge16mm_30、資料形態:16㎜フィルム 

 1930の前祭の巡行当日の映像です。最初に鷁と新調前の前懸、囃子方の子供たちなどが映されます。船鉾は町内を出発し、四条通に向けて新町通を進みます。船鉾の背景には新町通の街並みが映り、京町家の軒下や2階、屋根の上から船鉾の進む姿を眺める人々の様子がうかがえます。そして、囃子方は2階から眺めている人々に向けて厄除け粽を投げています。

 四条新町では、最初の辻回しを迎えますが、この映像では現在と異なる辻回しの方法を見ることができます。当時はまだ道路が舗装されていなかったため、一度に大きく車輪を滑らせることができず、幾度にも分けて小刻みに方向を変えていきました。また、岩戸山や芦刈山、当時の京都市民の足として親しまれた市電の姿も映されています。

 次に撮影者は、前年に続いて、長刀鉾町の町会所から放下鉾、岩戸山、船鉾を映します。船鉾が大丸前に差し掛かる際には、お供として参加している伊三郎の姿をアップで映しているため、この映像は伊三郎が知り合いに依頼して撮影させていたものと推測されます。この動画は同年の後半に続きます。

               現在の大丸京都店の前の様子

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