ビジュアル・ツアー『三国志平話』 02 黄巾の乱
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【04】孫学究が天書を得る
孫学究という男が、太山にできた穴の中に落ちてゆくと、天書を発見。それには万病を治癒する方法が書かれていた(それを学んだ張角のもとに群衆が集まり、やがて黄巾の乱が起こる)。
画面左側は、穴の中に落ちて、地中で天書を発見する孫学究。右側は、地上で心配する孫学究の家族たち。地下と地上で本来なら縦方向(上下)の関係で描くべきなのですが、絵解き用の絵巻の横長画面をそのまま使うため、上と下を右と左に変換して描いているのです。...という説明がないと、ちょっと意味不明な図像ですね(笑)。
【06】桃園結儀
劉備と関羽と張飛は義兄弟となる。その前に、宴会を開き、お互いの志を語らう3人。
この場面以降、『三国志平話』の版画は、劉・関・張のほか、諸葛亮(孔明)や趙雲などの活躍を中心的に描き、物語の主題が彼ら蜀陣営をめぐるものであることを鮮明にしてゆきます。
【09】黄巾を破る
劉備・関羽・張飛の三兄弟は、黄巾討伐軍に参加し、大活躍をする。やがて朝廷から褒美を受け、劉備は地方の官職を得る。
描かれた人物の動きは、右から左へ。東洋の縦書きの本を読む際の目の動きも、右の行から左の行へ。本を読むときの目の動きと、画面内の人の動きが一致するため、人物たちの動きがスピーディーに、躍動して見えます。
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国立公文書館内閣文庫蔵『全相平話』『至治新刊全相平話三国志』巻上
4葉・6葉・9葉の図像部分「孫学究得天書」「桃園結儀」「破黄巾」