華影新片特刊(映画) ①

華影新片特刊『秋海棠』

縦18.3cm 横12.8cm、綴じ(頁番号無し)

1943年? 中華電影聯合股份公司宣伝処

未整理

三須祐介所蔵

これは映画版『秋海棠』の特刊です。伝統劇においては贔屓の役者や演目などに焦点をあてた刊行物を専集や特刊といいますが、映画にも特刊はあります。丁珊珊氏によると①映画の特刊には映画会社が発行するもの、②映画館が発行するもの、③非映画系のメディアが発行するものの三つに分けています。この「華影新片特刊」は日本占領下の上海における国策映画会社、中華電影聯合股份公司(華影)が刊行したもので、①に分類されます。「新片」とは新作映画のことで、1943年12月に上映が始まった映画『秋海棠』のための特刊ということができます。

監督は馬徐維邦、秋海棠役は呂玉堃、羅湘綺と娘の梅宝の二役を李麗華が務めています。

この画像は表紙ですが、髪も乱れ、粗末な格好の秋海棠が悲しい表情で鏡を持っています。袁宝藩によって傷つけられた顔を眺め、そして傍らには梅宝がやはり憂いの表情で父を見つめています。流浪する父と娘を描いた『秋海棠』の後半のショットだと思われます。

また、表紙の下部には、同じく華影のコメディ映画、朱石麟監督『不求人』の情報が掲載されています。

arrow_upward