艫櫓と長江商店

ID:nagaeke_0555、資料形態:現像写真(100㎜×75㎜)

 船鉾は長江家住宅の目の前に建てられます。向かいの町会所の二階からは船鉾へと渡す桟橋(2枚目の写真)が掛けられ、鉾の上に上がることができます。この写真は、桟橋から船鉾の艫櫓(ともやぐら)と長江商店の店先を写します。艫櫓下には麒麟をあしらっった天保5年の水引幕「緋羅紗地鳳凰麒麟雲文様刺繍」が懸けられ、さらにその下の舵には、鶴澤探泉による下絵の螺鈿の飛竜が豪快に描かれます。鉾の上には若い奉公人に抱かれた長江家の長男がおり、2人の後ろには船鉾のご神体人形の1つである鹿島明神の姿がみえます。鉾の後方、幔幕と提灯でしつらえられた店先には、長江商店の奉公人や女中らが並び、女中に抱かれた幼い長女(妹)の姿も見られます。船鉾と店、子供たちを1枚に収めた撮影者のこだわりが伺えます。

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