日本の板木

『茶話それぞれ草』板木 文化10年(1813)年
横75.4×縦20.5cm
奈良大学博物館所蔵(T0064)

日本の板木は、片面に2丁分(現代の4頁分)、表裏合わせて4丁分(8頁分)を彫り込んだ四丁張(長板)が一般的です。板木の両端には、板がゆがんだり、板木と板木が当たって損傷しないように端食(はしばみ)と呼ばれる木片が取り付けられます(端食が脱落した状態で現存する板木は多くあります)。時代が下ると、四丁張の大きさの材が入手しづらくなったためか、二丁張という四丁張の半分のサイズ(片面1丁、裏表2丁)のサイズが徐々に増えていきました。日本の木版は17世紀以降に商業出版と結び付き、しかも、版権(板株)と板木の管理が一体化し、板木の所有者=版権の所有者を意味しました。そのため、印刷の版として重要な存在であり、権利を体現する財産として重要視されました。


『茶話それ/\草』板本 文化10(1813)
立命館大学図書館人文系文献資料室(Ld44507)

参考文献
金子貴昭『近世出版の板木研究』(2013、法藏館)
永井一彰『板木は語る』(2014、笠間書院)
永井一彰『板木の所蔵』(2021、青裳堂書店)

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