韓国の板木

『孤山続集』板木(鏡像表示) 成立年不明
横 49.1x 縦 20.55cm (マグリの縦寸26.45cm
個人所蔵

韓国に現存する板木としては、海印寺の高麗大蔵経の板木がよく知られていますが、それ以外にも多くの板木が保存されています。李氏朝鮮の時代、16世紀までにも多くの書物が刊行されましたが、豊臣秀吉の朝鮮出兵や丙子胡乱によって本や板木は甚大な被害を受けました。17世紀以降は儒教の書院(私塾)が中心になって、書院の学者の作品や、教育用の書物を出版していきました。これらの板木は朝鮮戦争などの困難に遭いながらも現存し、現在は韓国国学振興院が収集し、保存しています。その数は718作品の62,000枚以上にのぼり(2017年時点)、古くは1460年、最も新しいもので1956年の彫製になる板木が現存しています。
展示品は李氏朝鮮時代の成立と考えられる板木です。韓国の板木の形式としては、表裏に2丁分が彫られており、板木の左右に端食(韓国ではマグリと称する)が取り付けられるなど、日本の板木の二丁張に似ている点もあります。しかし、端食に向けて板木が斜めに切り込まれていたり、端食の装着方法も異なるなど、日本の板木とは異なる点も多くあります。なお、板木の材は、日本と同じく山桜を用いている事例もありますが、イロイタカエデ、白樺、柿など、日本よりも豊富な種類の材を用いていたようです。

参考文献
Park Soon,"Explanation on Yugyochaepan(Confucian Printing Woodblocks in Korea)", 2015 (PDF)

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