『毛詩品物図攷』

『毛詩品物図攷』板木(鏡像表示) 天明5年(1785)
横79.4×縦21.1cm
奈良大学博物館所蔵(T0081)

大坂の岡元鳳による『毛詩品物図攷』は、『詩経』(毛詩)に登場するさまざまな品物を、草部(巻一~二)、木部(巻三)、鳥部(巻四)・獣部(巻五)・虫部(巻六)・魚部(巻七)に分類し、和名と図を付したものです。先行書として安永8年(1779)刊『陸氏草木鳥獣虫魚疏図解』がありますが、該書は図を『三才図会』などの先行書に掲載された図を襲用しているのに対して、『毛詩品物図攷』はそれらの影響を完全には脱しきれてはいないものの、独自の図を付した点が特徴です。一般に、書物の交流史としては中国から日本へ将来される場合が多いのですが、本書は逆に日本から中国にもたらされ、光緒12年(1886)年に上海積山書局から小本の石印版が刊行されました。その後も中国でいくつかの復刻版が刊行されています。


『毛詩品物図攷』板本 天明5年(1785)
立命館大学アート・リサーチセンター(arcBK01-0119)
 
 『毛詩品物図攷』石印本 光緒12年(1886)
 立命館大学アート・リサーチセンター(arcBK04-0293)

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