義太夫節浄瑠璃の作品をよむ

 義太夫節は、人形操芝居と結びついて特に大阪の地で発達し、たくさんの作品を残した。とくに、この語り物は、戯曲として高度に発達し、そのほとんどの台本が「正本」として大量に刊行され、現在でも数えきれないほどの数が残ってる。この正本のことを別名「丸本(まるほん)」(院本とも)と呼び、作品数は千数百作品と予想されている。
 浄瑠璃作者には、世界に誇る近松門左衛門もはじめ、近松と同時期にライバルの関係であった紀海音があり、あるいは錦文流、西沢一鳳、福内鬼外、菅専助らがおり、この六人については、全集として活字で読むことができる。が、その他の作者、たとえば並木宗輔や近松半二らについては、なぜか全集が出ていないのである。
 現在、活字化ができていない義太夫節浄瑠璃の作品を1作1作翻刻して刊行していこうという、きわめて地味であるが意義のある活動をしているグループが現れた。その出版を引受けた玉川大学出版部も立派な判断をされたと思うが、全部の浄瑠璃作品が刊行されることをいろいろな形で応援していきたいものである。 
 

現在、刊行されている作品名は以下の通り

1,出世握虎稚物語
2,藤原秀郷俵系図
3,工藤左衞門冨士日記
4,伊勢平氏年々鑑

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