• 松本研究室


2011年12月28日

風俗絵画研究会活動の継続と論集第2弾の刊行

12月24・25日に開催いたしました研究会には、多数の方々が参加してくださり、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。

ご承知のことかと思いますが、来年3月でもってグローバルCOEが終了いたします。本研究会もCOEプロジェクトの一環として活動してまいりましたので、来年4月以降、どのようにするか、今回ご出席いただきました皆さんの意見を頂戴いたしました。結果、新年度以降も何らかの形で継続して活動を行っていくことになりましたので、ご報告させていただきます。あわせて、今後の活動について、これまで以上のご支援を何卒よろしくお願いいたします。さて

風俗絵画研究会、論文集第2弾刊行 

です。今年で6年目を迎える本研究会では、本年度末に論文集第2弾を刊行する運びとなりました。
第1弾論文集を2年前の2009年に刊行し、続いて研究会の成果を発表できますことは、ひとえに、研究会にご参加くださったみなさまをはじめ、会場となった立命館大学アート・リサーチセンターの研究メンバー、そして、思文閣出版の温かいご支援のたまものだと思います。
心よりお礼申し上げます。

学際的な研究会であるからこそ、方法論からくる相違点ではなく、議論を広く組み立てる建設的な意見が求められ、そこに研究の意義を見出していく、多角的な研究視角を獲得する研鑽の場でもあった研究会だと思います。

現在のところ、研究会には美術史、歴史学、文学、地理学、人類学を専門とする研究者が参加しています。さらに専門の地域も西洋・中国・日本と異なり、時代も古代・中世・近世・近代・現代というように、一見ばらばらな専門性をもつ者同士が、風俗や絵画などをキーに議論しています。このような異分野研究同士が共存しながら研究会を維持し、進めていくには、まず相互の方法論を知り、研究の意義と位置づけを理解した上で、さらに広い視野からの射程をもつ必要性を感じました。編者の一人として、大変勉強させていただきました。

 

松本郁代・出光佐千子・彬子女王編 『風俗絵画の文化学Ⅱ 虚実をうつす機知』

2012年3月、思文閣出版より刊行予定です。
第2弾は、PDの彬子女王殿下にも加わっていただき、三人で作り上げた論文集です。
 

以下に目次を示します。

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序章 虚実をうつす機知――文化学の射程    松本郁代(横浜市立大学)   

第1部 祝祭の視界と権力の描写

第1章 狩野内膳筆「豊国祭礼図」論             
                        廣海伸彦(出光美術館)
第2章 『帝鑑図説』と徳川将軍の〈中華〉
                        松島仁(国華社) 
第3章 神宮文庫蔵「祇園祭之図」について――祇園祭礼図の成立に関する試論  
                        八反裕太郎(頴川美術館)  
第4章 戦国期京都の祇園会と絵画史料――初期洛中洛外図を中心に 
                        河内将芳(奈良大学)

  第2部 他者の視線と日常の表象

 

第1章 風俗画――浮きたること」を取り締まる  
                        タイモン・スクリーチ(ロンドン大学SOAS)
第2章 喝食の額髪――「銀杏の葉」型額髪の意味をめぐって  
                        川嶋將生(立命館大学)
第3章 浮世絵にみる江戸の園芸文化――植木売り・植木市・植木鉢  
                        日野原健司(太田記念美術館)
第4章 浮世絵にみる他者の視覚化――「唐人」という視点から考える  
                        鈴木桂子(立命館大学)

第3部 表現の形象と古典の流通

 

第1章 池上本門寺所蔵「大江山縁起図屏風」小考 
                        岡本麻美(山口県立美術館)
第2章 西川祐信の絵本と江戸の春本――鈴木春信・北尾重政を中心に 
                        石上阿希(立命館大学)
第3章 初期団扇絵の事例と宝暦年間の弘法大師信仰の流行について
     ――墨摺団扇絵「弘法利生水」、紅摺団扇絵「大師弘法御利生の水場」の紹介を兼ねて

                        奥田敦子(財団法人墨田文化振興財団)

第4部  作品の享受と意匠の変遷

 

第1章 池大雅筆 「瀟湘八景図」研究―詩画一致の鑑賞方法から 
                        出光佐千子(出光美術館)
第2章 英一蝶「四季日待図巻」を読み解く――〈座敷芝居〉にみる江戸中期の芸能上演  
                        池田芙美(サントリー美術館) 
第3章 近代京都の光琳派意匠に関する一考察――浅井忠と神坂雪佳の比較から  
                        坂口さとこ(京都国立博物館・京都造形芸術大学)
第4章 風俗画と京都――京都商品陳列所の公式カタログに描かれた風俗画を中心に  
                        彬子女王(立命館大学)

あとがき  彬子女王

英文目次
執筆者紹介

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2011年11月18日

風俗画研究会開催のお知らせ

恒例の冬季風俗画研究会を、下記のような日程と内容で開催いたしますので、ふるってご参加くださいませ。事前に出欠をお知らせください。会場は両日とも立命館大学アート・リサーチセンター第2会議室です。

12月24日(土曜)

13:00~15:00

「円山派の美人画ー応挙・素絢・南岳を中心にー」 宮崎もも(大和文華館)

15:00~17:00

「役者絵本の世界」(仮)赤間亮(立命館大学)

終了後、懇親会を同じ場所にて行います。

12月25日(日曜)

13:00~15:00

「平安時代の室礼についてー文献史料と絵画資料の比較検討」(仮) 吉住恭子(京都市歴史資料館)

15:00~17:00

「黒田清輝《昔語り》と京都」 植田彩芳子(京都文化博物館)

研究会責任:松本郁代・彬子女王・出光佐千子

2011年11月 7日

(予告)風俗画研究会の開催

 夏・冬恒例の風俗画研究会を、今冬も開催いたします。日程は12月24・25日(土・日)13時から、場所は立命館大学アート・リサーチセンターです。報告者は決定しておりますが、報告テーマなど、詳細が判明しだい、改めてご報告いたします。年末のあわただしい時期ですが、スケジュールにお加えいただき、是非、ご参加ください。なお参加の場合、これも例年の通りですが、事前にご連絡のほど、お願いいたします。

2011年7月20日

風俗画研究会の発表者順序の交代について

風俗画研究会の発表者順序の交代について

 

研究会開催直前のことで申し訳ありませんが、30・31日に開催されます発表者の順序について、以下のように変更させていただきます。報告者には変更がありませんが、マシュー・マッケルウェイ氏と松本直子氏の報告を入れ替えます。

7月30日(土曜)

13:00~15:00

「近代京都の美術教育のなかに見る「風俗画」」 山本真紗子(立命館大学・PD)

15:00~17:00

「最大の洛中洛外:新出洛中洛外図の制作環境を巡って」 マシュー・マッケルウェイ(コロンビア大学准教授)

終了後、懇親会を同じ場所にて行います。

7月31日(日曜)

13:00~15:00

「近代中国における「風俗」へのまなざし;蔣兆和筆流民図を手がかりに」(仮) 呉孟晋(京都国立博物館・学芸員)

15:00~17:00

「四季耕作図について」(松本直子・元離宮二条城・学芸員)

研究会責任:松本郁代・彬子女王・出光佐千子

2011年6月12日

夏季風俗画研究会開催のお知らせ

夏季風俗画研究会を、下記のような日程で開催いたしますので、ふるってご参加くださいませ。事前に出欠をお知らせください。会場は両日とも立命館大学アート・リサーチセンター第2会議室です。

7月30日(土曜)

13:00~15:00

「近代京都の美術教育のなかに見る「風俗画」」 山本真紗子(立命館大学・PD)

15:00~17:00

「四季耕作図について」(松本直子・元離宮二条城・学芸員)

終了後、懇親会を同じ場所にて行います。

7月31日(日曜)

13:00~15:00

「近代中国における「風俗」へのまなざし;蔣兆和筆流民図を手がかりに」(仮) 呉孟晋(京都国立博物館・学芸員)

15:00~17:00

「最大の洛中洛外:新出洛中洛外図の制作環境を巡って」 マシュー・マッケルウェイ(コロンビア大学准教授)

研究会責任:松本郁代・彬子女王・出光佐千子

2010年12月 1日

冬季風俗画研究会開催のお知らせ

冬季風俗画研究会を開催いたします。ふるってご参加くださませ。

12月19日(日)
研究会 9:00~17:30 (於:ARC多目的室)

倉橋正恵(立命館大学グローバルCOE客員研究員) 
「役者評判絵の風刺性(仮)」

中野志保(元離宮二条城学芸員)
「上方役者絵における画帖形式の普及(仮)」

八反裕太郎(頴川美術館学芸員)
「神宮文庫蔵「祇園祭之図」について―祇園祭礼図の成立に関する試論―」

宮下規久朗(神戸大学准教授)
「風俗画と食」

研究会責任:松本郁代・彬子女王・出光佐千子

2010年6月15日

風俗絵画研究会を開催します

夏季風俗絵画研究会を開催いたします。ふるってご参加くださいませ。事前に出欠をお知らせ下さい。
 

7月24日(土曜)
13:00~17:30くらいまで

*河内将芳(奈良大学)
「中世京都の祇園会と絵画史料」(仮)

*岡本麻美(山口県立美術館)
「絵巻から屏風へ ~“酒呑童子説話”変容の一側面」

18:00から 懇親会
会費 有給者 4000円以上(発表者はご招待)
   無給者 2000円程度

7月25日(日曜日)
13:00~17:30くらいまで

*加茂瑞穂(立命館大学ARC博士後期課程)
「描かれた近世の服飾意匠をめぐって―現状と課題」

*坂口さとこ(京都国立博物館)
「近代京都における絵画と図案について」

 

2010年6月 1日

神戸大学で講演をします

PD彬子女王です。

6月8日に神戸大学で講演を行います。

 

6月8日(火)

場所:瀧川記念学術交流会館2階大会議室

時間:15:30~17:30

タイトル: 『風俗画』の本質―日本と欧米の美術交流を通した言葉の変容について―

 

2010年5月18日

国際シンポジウム「文化財の現在・過去・未来」、その後

4月30日・5月1日の2日間にわたって開催された
国際シンポジウム「文化財の現在・過去・未来」の記事が
「神社新報」と「京都新聞」に掲載されましたのでご紹介します。

記事内容は下記リンクからご覧ください。

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◆「立命館大学でシンポジウム 文化財保護・伝承の行方」
 (神社新報, 2010年5月17日付)
  http://www.arc.ritsumei.ac.jp/dhjac/temp/0517jinja.pdf  

◆「デジタル アナログ 進む融合「共存」めぐり立命館大でシンポ」
 (京都新聞, 2010年5月18日付朝刊)
  http://www.arc.ritsumei.ac.jp/dhjac/temp/0518kyoto.pdf  

 

2010年1月21日

セインズベリー日本藝術研究所で講演を行いました(彬子)

英国Norwichのセインズベリー日本藝術研究所の第三木曜日講演会で、Creating the History of Japanese Art in the British Museumと題し、招待講演を行いました。