No.17 近世畸人伝、続近世畸人伝

No.17A 近世畸人伝、続近世畸人伝   芸艸堂所蔵
寛政2年(1790)、寛政10年(1798)
丁付:(奥付)、(題簽)
大本10冊

No.17B 続近世畸人伝   立命館ARC所蔵(arcBK01-0101)
寛政10年(1798)
縦21.4×横53.8×厚2.0cm

『近世畸人伝』はNo.15~16に紹介した伴蒿蹊の著作であり、初版時は2代目佐々木惣四郎(春行)を含む五軒の相合板で刊行された。その好評を受けて8年後には続編『続近世畸人伝』が刊行された。佐々木は正編に続いて続編の刊行にも関わっている。両書は佐々木惣四郎の刊行した書の中で最も有名なものの一つである。展示No.17Aは、正編5冊、続編5冊を合わせて、計10冊揃として刊行されたもの。製本時の取り違えにより、正編と続編の奥付が入れ替わっている。佐々木の蔵板目録『蔵板員数』によれば、大正2年(1913)5月、佐々木は板木市で両書の板木を手放したが、その板木を買い取ったのは山田直三郎(芸艸堂)である。この記録のとおり、芸艸堂の板木蔵には続編の題簽・奥付の板木が収められている(展示No.17B)。現在、板木蔵からこれ以外の板木を見出すに至っていないが、墨摺りの板木は東京へ送った例があるとのこと、震災・戦災で失われた可能性もある。